第626話 ウォンの誤算……(20)

 そう、今もエリエとウルハの両領主、両軍、両妃は、己の主を血眼になって。「御方? 御方~?」


「あんた? あんた~?」と。


 二人の戦姫は健太のことを探索、探しているようだが。未だ二人は、己の主の行方は掴めていない状態だから。もしかすると彼は? 大型獣の餌に、糧に、なってしまった可能性だってある。ある訳だから健太は……と、いうよりも、只今此の国の女王と時期漢王になる可能性が大な者達二人が、他国との争い。それも、このままだと、敗戦濃厚な事態に落ちかねないと、いうことは? 自国が他国に侵略されて他人の物……。ジャポネの女王シルフィーの物になる可能性が大なのに。


 それでもエリエとウルハの両領主は応援、助勢、援軍を出すこともしないで己の主、健太を探索するぐらい。二人は女王アイカとウォンに対して憤怒、憤慨している状態と、懲りない二人に対して落胆をしているのだ。実の妹と従妹の両雄、アマゾネスは……だけではないか。その他の領主達も己の国の女王アイカに対して呆れ返った状態だし。仮にウォンを健太の後釜、男王の座に座らせる気も無いに等しい状態だから。ウォンの想いと当ては外れてしまい此の国の中で女王アイカの所有する領地とウォンが所持する領地が孤立している状態へと陥っているのだ。


 だからウォンは己の脳内で。


「(う~ん、どうしたものか?)」と。


「(どうする? どうしよう……。どう、手を打つべきか……)」と悩み、困惑をする。続ける。


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