　だから本当の盟主、国王、男王がいない。不在である此の国は、荒くれ武士であり。オーク種族最強の漢戦士であるウォンの強さと恐ろしさ、怖さに対して何とか従う漢族長の集落の者達と。この戦では指示、戦場の先頭に威風堂々、神々しく立ち、凛と毅然とした様子と姿勢で、漢将や漢兵達を鼓舞しながら先導、扇動しながら戦を作り、雰囲気を変え──。

　自分達の此の国が有利に戦場で戦えるように戦意を上げ、促す筈の女王アイカに従う。慕う。数少ない漢首長、族長などが戦に参加しているだけ。のみなのだよ。

　そう、周り、辺り。この場の様子と雰囲気を見て確認をすればわかる通りで。此の国、他の国、比の国を合わせても。オーク種族の各酋長や族長を多く抱える此の国の筈なのに？　酋長、族長、兵士達の数が少ない。少ないことに気がついた者達が多々いると思う。思うのだが。