第589話 ジャポネの覇王妃シルフィー(6)

 それでも、サラの実母であるジャポネの女王シルフィーは、日本の口紅で染まった艶やかに唇を輝かせて開き。


「皆~。直ちに支度を~。戦の仕度を直ちにおこない~。しなさい~」


 と、下知を吐き、飛ばす。


「我等の敵は此の国の女王アイカ~」と。


「その一族の者です~」、「だから直ちに支度をしなさい~」と。


 日の本の覇王織田信長に本能寺──謀反を起こし。主を撃った【明智光秀】並みの下知を己の家臣達へと凛と勇んだ声音で放ち告げる。


 だからこの世界、この大陸、この地の勝利、戦勝、豊穣神である女神シルフィーの下知だから。


 ジャポネの漢戦士、アマゾネス達は、


「うおぉおおお~!」


「女神さまぁあああ~!」


「女王さまぁあああ~!」


「我等ぁあああ~!」


「私等に~!」


「勝利をもたらせ~。たまえ~」と。


 威勢良く。歓喜の声を大にして叫ぶ、サラの気落ちをした様子など気にもしないでね。


 ◇◇◇◇◇


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