第588話 女王アイカと女王シルフィー(5)

 そう、今後、自分達家族……。


 いや、姉妹はどうなる。なっていくのか、サラ自身は行く末が不安で仕方がない。ないのだ。


 だからサラは己の心中で、


「(健ちゃん、サラはどう、どうしらたいい? いいのだろう? このままでは、サラはアイカ姉やプラウム姉、エリエ姉達、姉妹の間で争い。争い続けなくてはいけなくなる。なるよ。健ちゃん……)」


 と、嘆く。嘆くのだ。


 そして、「(あなた~。帰ってきて~。帰ってきてよ~。あなた~。そして~? 母上とアイカ姉達との争いをとめて~。とめてよ~。お願いあなた~)」と、嘆願しながら嘆きもするのだ。


 でも、そんな様子──。傍からサラの様子を見て確認してもわかる通りで。サラは己の顔色を変えながら気落ち、落胆をしている様子がありありとわかる。わかるのだが。


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