第573話 三個の容器の中身は何?(13)

 そう、日の本の民でも無い異国の少女である。と、言うか?



 異世界の金髪碧眼の天使、女神、天女、精霊のような容姿を持つ、シルフィーが難なく。日の本の民御用達である【箸】を安易に使いこなしたので、健太は驚愕──開いた口が塞がらない状態へと陥っている。


 健太は不思議でならないから、シルフィーのことを呆然と見続ける。


「フフフ~、不思議でしょう~? あなた~?」


 呆然としている健太のことを嘲笑う。と、言うよりも?



 シルフィーは、悪戯好きな小悪魔のように妖艶に微笑を浮かべながら健太へと問うのだ。


「うん、不思議……。何で女神さまは、日本人でもないのに、箸をそんなに上手に……。多分、僕が箸を使うよりも上手に使えの?」


 健太は困惑しながらシルフィーへと言葉を返し、問いかけもする。


「ん? それはね? あなた~? 私(わたくし)が先程、日本の男性の妻になることで。日本人になったからですよ~。だから、この箸が使用できるようになりました~、だけではないのですよ~。あなた~。今私(わたくし)がコロッケに少量落とした液体調味料が【ソース】だとも知っていますよ」と。


 女神シルフィーは、「フフフ~」と、相変わらず。妖艶に笑みしながら健太へと説明をするのだ。


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