第571話 三個の容器の中身は何?(11)
「ちょ、ちょっとあなた~ そんなに激しく抱きつき甘えてくると、私(わたくし)の身体が椅子から落ちて、身体を強く打ってしまいます~。あなた~」と。
健太の幼い女神さまは、自身の主さまへと不満を漏らすのだが。
「いいじゃない~、いいじゃない~。僕の女神さま~。愛している~。愛しているよ~」と。
幼子のような振る舞いで甘えて、女神シルフィーから離れようとしない。
と、言うよりも?
すっかり忘れていました。
この時の健太は、少年ではなくて、未だ幼子でした。
だから健太自身の母とも変わらぬ、心の拠り所である。シルフィーへと甘えて離れようとはしない。
『バブバブ』と、赤ちゃん返りもしているようだから。
と、なれば?
健太の大変に若くて幼い奥さまは、「(致し方がない)」と、己の心の中で思うから。諦めるのだよ。
「ほら、ほら、良い子~。良い子~。あなた~」と。
優しく健太へ、女神の微笑みと声を投げかけながら。幼い主さまの頭や頬、背を優しく振れ、赤子をあやすように撫でながら空いた手で再度、液体調味料をコロッケへと少しばかり注いでみるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます