第425話 サラの出生の秘密……(12)

 だって~? 彼女は先程迄~。サラ自身の姉である女王アイカ対して、夫である健太を蔑ろ──。姉のアイカと従兄のウォンとが共闘して、サラ自身も大事な健太を蔑ろ──。彼を此の国から追放したのではないか~? と、思われる件で、サラの母であり、健太の妃でもあるシルフィーが憤怒──。シルフィーらしくない振る舞い……。女王アイカに勇んだ様子を見せ──。此の国の女王アイカと、健太の代わりに王になる可能性があるウォンへと宣戦布告までして、此の国の領内を飛び出た母シルフィー……。


 そんな彼女の背をサラは、この『ジャポネ』の内堀につくまで追いながら。


「母上~。お待ちください~!」とか~!


「待ってください~。母上~。どうか~。その場に立ち止まり~。サラの話しを聞いてください~。お願いします~」と。


 母シルフィーに多々声をかけ、呼びかけ、止まるように嘆願……。一度壊れた母と、姉である女王アイカの仲を、サラが間に入り取り持ち、仲直りをさせようと試みていたので。サラは何度も母であるシルフィーに対して、『母上~。待って欲しい~。そして~。自分の話しを聞いて欲しい~』と、嘆願もしたのだ。

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