第424話 サラの出生の秘密……(11)

 まあ、以前……。シルフィーの主である健太がこの世界に。彼女の手によって召喚される以前……。サラが物心つく以前から彼等二人は、サラの母であるシルフィーに仕えているのだが。サラは幼少期から、エルフの美少年二人が、自身の母であるシルフィーに甘えている様子を何度も見て確認をしているし。自分の母が一人の女になり、エルフの美少年二人へと甘えている様子も、何度も見て確認をしているから気に入らない。


 まあ、それだけならばいいのだが~? サラ自身や姉のプラウムの目を盗んで──。シルフィー自身の寝所で、三人で密会を多々繰り返している状態なのだ。


 でも、まあ、それも~? 健太がこの世界にくるまでならばサラ自身も~。彼女の美しい母は未だ若いし、只今女盛り~。その上~? 前王には早くから他界をされて、只今未亡人の状態だから~。独り身でいるのは寂しいのだろうから仕方がないと思うところがあるのだが~。


 今はシルフィーには、健太という正式な夫がいるにも関わらずこの様子……。相変わらずサラの母であるシルフィーは、このエルフの男(戦士)二人に甘い顔をする。


 そう~? シルフィーの正式な夫である、此の国の王健太へと向ける優しくて緩やかな、女神の微笑み投げかけながら。


「ウフ~。只今帰りました~」と。


 エルフの美少年戦士二人へと声をかけるから。サラ自身は尚更気に入らない。

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