第375話 家出(222)

「ご、御免~。アイカ~。もうチビとは争う事をしないから、自らの命を断つとか申さないでおくれ~。俺は、お前が死んだら~。今後は、どう生きてよいか解らなくなる~。だから頼むよ~。アイカ~。自らの命を断つ行為はやめてくれ~」と。


 今にも泣き出しそうな、気落ちした声色での台詞……。


 女王アイカへと嘆願するのではなく。


 先ずは、自身の脳裏で。


(や、やはりアイカさんは、僕だけではなく。ウォンさんのことも好きなようだ……、となれば? 僕がこのまま集落に残り。仲の良い二人の仲を切り裂き邪魔をするのは、僕自身よいことだとは思わない……)


 と、思う。


 でッ、健太は思うと? 次はこう思うのだ?


(やはり、僕は、この国から出ていこう……。僕がこのまま居続ければ、この国は更に乱れ、取り返しのつかないことになる……。だから今を持って僕は、この国……。アイカさん達の許から去る……)と。

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