第374話 家出(221)

 でッ、告げ終えれば。女王アイカは再度艶やかな唇を開いて。


「あなた達~。私の一族の中でも。私が最も認め頼る漢二名が。これ以上私の為に、自らの命をかけて争うというのならば~。私は自らの命を断ちますからね~」と。


 女王アイカは、先程まで健太が所持して斧を片手で拾い──。自身の喉元へと当て──。自身の命を賭しても二人の漢の争いをとめようと試みる。


 でッ、この様子を見たウォンは、今の今迄の憤怒した表情から、気落ち……。自身の顔を緩ませて、情けない表情で、「えっ?」と、嘆息を漏らすのだよ。


 そして我らが、健太の方はと言うと?


 やはりオーク最強の漢と変わらない気落ちをした表情……。


 う~ん、なのだが?


 ウォンのように、アイカが一度言い出したら、他人の進言や諫めを聞かない性格だと知っているから。アイカの決死の覚悟を聞き──。直ぐに女王アイカへと。

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