第372話 家出(219)

 まあ、健太は、そんな勇んだ様子をアイカとウォンに見せれば、自然と二人の口からは、こんな台詞が漏れてくる。


「あ、あなた~」と。


 アイカは健太の後ろで、安堵した表情と声を漏らして。その後は歓喜──!


 でッ、アイカとは対照的に、健太と睨み合いを続けているウォンの方はというと?


「ううう~。ク、クソ~。人種のチビの癖に生意気なガキが~」


 と彼は、荒々しい台詞を健太へと告げながら。立膝ついている自身の身体を起こすのだよ。


 オーク最強の漢である、自分自身を侮辱した健太へと、また荒々しい行為──。鉄拳制裁を加える為に、「ううう~」と、苦しそうな唸り声を漏らしながらだが立ち上がる。


 う~ん、でも? そんな荒々しい様子……。憤怒しているウォンを見ても。健太は臆することなく。自身のファイティングポーズを解かずに、更に腰を低く構え、勇んだ様子で身構えるのだよ。


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