第193話 少年はまた猜疑心ばかり募らせる(5)
先程彼が主夫業を辞め、放置した家事の続きを始めだすのだ。
この集落、神殿が茜色から日暮れ、漆黒の闇に覆われ、静まり返る迄彼、健太は女王アイカの男王、夫らしく主夫業に専念──。健太のアイカ以外の妃であるエリエやサラが家族の者達の為にと狩猟してきた獲物を、以前のようなビクビク、オドオドと気弱な様子ではなく。
この集落の男王、主夫の鏡に相当しい手慣れた様子で平然と解体、料理を作り。今神殿内にいる妃達、エリエやプラウム、サラの四人で、この神殿の家長、女王である妃のアイカの帰宅を首を長くして待つ。
「う~ん、今日もアイカさん、帰宅が遅いね……。これで一月ぐらいになるのかな? アイカさんが帰りが遅いのは……?」と。
健太は少し悩んだ顔、考える人になりながら独り言のように言葉を漏らせば。
「じゃ、いつものように、先に食べていようか?」と。
自身の妃達、アイカ以外の三人へとにへらと笑いながら告げ。
「いただきます」と。
満身の笑みを浮かべながら手を合わせる。
だからつい最近女王アイカ……。自身の姉へとウォンの屋敷へと通う……。通い妻生活をする事を女王アイカへと、健太の様子が可笑しいから控えるようにと告げていた三姉妹も。健太の表情を窺い安堵し。
「いただきます~」と次女のエリエが声を上げると。
「健太さんは本当に料理が上手ですね~」
「うん、プラウム姉の言う通りで健ちゃんは本当に料理が上手……。この集落の男達の見本になるような良いパパだよね」と、サラの歓喜の声を上げる。
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