第188話 家族が一人少ない。四人だけの寂しい食事(2)

「いや、僕、以前から思っていたんだけれど。ここってこの集落の酋長をしているアイカさんの神殿……お城だよね?」


 健太はエリエの言葉を聞くと、自身の首を傾げながらお妃様達へと問う。


「うん、そうですが、健太さんどうかしたの?」


 健太の問いかけに対して今度はプラウムが言葉を返すと。


「何でアイカさんは、僕が産まれ、育った異世界の女王様や王様みたいに自身の神殿に政務に関わる者達を呼び集めて業務をおこなわないんだろう? いつも外へとでかけて政務をおこなっているから。僕はそれが自分の産まれた世界とは違うから不思議だな、と思っただけだよ」と。


 健太は自身のお妃様達三人へと、またにへらと笑い言葉を返す。


「……ん? 確かに言われてみれば、健ちゃんの言う通りで、何でだろぅね、アイカ姉がこの神殿で政務をおこなわないのは?」

「おばば様の年齢を考慮して、長が彼女達の許へと赴いているんじゃないかな?」

「はい、多分エリエ姉さまの言う通りだと思いますよ、健太さん……」と。


 首を傾げるサラの言葉を聞き、エリエが多分、おばば様達の年齢を考慮したものだと告げると。最後にプラウムが姉の意見に同意だと健太に呟くと。


「ふぅ~ん、そうなんだ」と、健太は納得をすると。


「じゃ、今日も僕達だけで食事をしようか」と。


 健太は今日も一人少ない四人だけの、家族でのランチタイムを寂しい思いで始める。



 ◇◇◇

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