〈ギィー〉

　と、力無く神殿の扉を開ける健太……。洗濯を終えた彼は、神殿内へと入ると──。

「ただいま……」

　彼は物思いにふけた様子と声音で、神殿内に今いるお妃様達へと声をかける。

「あっ、御方お帰り」

「あっ、健太さん、おかえりなさい」

「健ちゃんが洗濯を終えて帰ってきたから。今から食事にしようか」と。

　最後に女王アイカの四姉妹の末の妹であるサラが満身の笑みを浮かべながら自身の夫健太が帰宅の途についたから家族水入らずで、今からランチタイムを楽しもうと告げてくる。

　だから健太は「うん、そうだね。今から皆でお昼にしようか……」と頷き、にへらと笑いながら呟けば。

　自分達家族の憩いの部屋から奥の寝所を眺めるように見詰めながら。

「アイカさんは未だ疲れて寝ているの？」

　この部屋にいるアイカ以外の妃達、エリエとプラウム、サラの三人へと問いかけた。

「……ん？　長ならもう正午の政務があるからと早めに出掛けたが。どうかしたのか、御方？」

　健太の問いかけに対して次女のエリエが直ぐに言葉を返す。

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