第160話 第2章 前書き(3)
女王アイカは何故か健太の笑みを浮かべて労いの言葉を聞き、急に顔色を変え、彼と目を合わせないようにしながら言葉の方もしどろもどろと言葉を詰まらせながら告げてくるから。
健太自身も「(アイカさんどうかしたのかな? 急に様子が変わり。落ち着きがなくなった気がするけれど)」と瞬時に思い。
「(やっぱりいつも早朝から、夜遅くまでのお仕事で疲労が溜まっているのかな?)」とも彼は思うから。
「いいえ、いいえ。僕のことなど気にしなくていいよ、アイカさん。それよりも集落の人達が幸せになるように色々と考えてあげてね。アイカさん」と。
健太は自分の妃であるアイカへと嘆願をすれば。
「じゃ、みんなが待っているから僕はいくね」と。
女王アイカへと健太はにへらと笑いながら告げると彼女が自身へと歩みより。甘える前に歩き始めだす。
だから女王アイカは「あっ!」と言葉を漏らし。「あ、あなた、ちょっと待って」と力無い声音で健太を呼ぶように話しかける。
でも健太は何故か聞こえていない振りを装いつつ、後ろを振り返ることもしないで自分のお妃様である女王アイカへと「いってくるね。アイカさん~。バイバイ」と手を振りながら。
そう、他人が傍から健太のことを凝視しても大変に大袈裟だなと思えるぐらいの笑みを浮かべながら手を振り妻である筈の女王アイカの前から姿を消していくのだ。
彼、この小さな国、集落の男王健太には沢山のお妃様がいるから洗濯物の量が大変に多いいと言った理由でね。
だからこの小さな国の男王と女王はあの日、内戦終結後もすれ違いの日々がひと月以上も続いている最中なのだ。
◇◇◇
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