第154話 あとがき(16)

 まあ、そんな様子のアイカを見詰めればウォン自身も彼女、元妻に対してやはりアイ・コンタクトなのだ。


「(ああ、アイカ分かった。分かっているよ。お前の言いたい事は……。俺自身も酋長のお前に迷惑をかけてすまなかったよ。本当に悪かった。すまなかった」と無言で謝罪……。


 そんな元々は夫婦と言ってもよい程深い仲だった二人の仲慎ましい様子をおばば様達は見詰め続けると。


 各自各々が(ああ、良かった)と思いながら。


 ほっと安堵、胸をなでおろし。


「我が酋長もウォン、お前の自分への想いの方はちゃんと分かったようだから。今後は二度とこのような悪しき計略……。異世界からきたを蔑ろにするではないぞ」

「そうじゃ、ぞ、ウォン、分かったか?」

「あの少年はなどではない。この地に君臨するになられる御方なのだから謀反等考えず。あの方に使え、奉仕、武勲を上げる事を考えるのじゃ」

「良いな、ウォン、分かったな?」

「それとウォン、我らが酋長ともするのだぞ。良いな?」と。


 おばば様達は女王アイカと健太に対して謀反を起こしたウォンへと口煩いぐらい何度も諫めの言葉を告げるのだ。


「ウォン、お主も我らが大王の様子を見れば分かるだろう? 我らの大王は死なぬ身体だから。お主がいくら我らが酋長と女神を独占する為に、大王に対して反逆の意を示し、逆らおうとしても無駄に終わるだけだから。もういらぬ野心は抱かぬ事だ。良いな?」

「そう、この者の言う通りじゃ。それにもうこの集落にはお前に付き従う者はいなくなったと言っても過言ではないから。今後謀反を起こすだけ無駄に終わるだけだから辞めておけ」とね。



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