第153話 あとがき(15)

 そもそもこの国始まっていらいの二つの大惨事は女王アイカを含めたアマゾネス達がオーク種族の女性、妻らしい振る舞いをちゃんと務めていれば何も問題はなく。起こることもなかった事件でね。


 現男王健太の容姿が余りにも可愛くてアマゾネス達が魅了され虜になったのが原因なのと。


 嫉妬心と独占欲の強い女王アイカがいつまでもウォンが以前起こした浮気、犯罪行為を寛大に許さず。


 ウォンを放置したのが原因でね。夫婦の営みがどうのこうのではなくて、女王アイカがちゃんと妻らしく彼の食料も運んで通い妻をしていれば問題はなかったのだが。


 まあ、女王アイカ自身も健太に対してウルハやヤンキー姉ちゃん達に今日は駄目だ! 後日にしろ! と言い返す通りでね。


 現男王健太へとかなりのお熱を上げている通りで、自身がウォンの許へと訪れている間に夫を妹達に独占されるのが。


 そう、妹達には寛大に見えるアイカでもやはり焼くのだよ。


 健太に妹達が優艶に、妻らしく甘える様子を見ればね。


 それと彼女は何だかんだと言っても寂しがり屋でね。自身の物、健太に甘え続けていたいのだよ。


 何度も彼を殺すことになろうとも。


 まあ、それでも好きなのだ。健太の事が。でもこの度の事件でウォンがこれ程迄自分の事が好きだとわかった女王アイカ……。


 でっ、自分自身も未だ元夫ウォンの事を愛しているとわかったアイカだから彼女の心境はかなり複雑な気持ちへと移り変わっているから。


 ウルハやヤンキー姉ちゃん達へと健太の事で「駄目だ!」と拒否した後は、相変わらず気落ち落胆しているウォンの方をチラと見詰めては悲しい顔をしながらアイ・コンタクトを何度も送り続ける。


(あなた、また家に窺うから。もうこんな事件、争いはしなでね。わらわはもう二度とこんな悲しい想いをしたくはないからお願いウォン……)と。


 女王アイカは心の中で祈るようにチラチラと元夫を見詰めるのだよ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る