第99話 猜疑心・孤立・引きこもり(2)
そう、自分達よりもオーク種族よりも武も力も劣る人種の上に、更に人種の中でも弱々しく、貧弱、貧相な部類に入る健太だから。彼に執着しておもちゃにし。健太が泣き叫び喚き、許しを請う。命乞いをする様子を見ていたら彼等、漢戦士、グラディエーター達はその日の疲れやストレスが解消され満足をする。できる日々が続いているのと。
オーク種族は女尊男卑思想の種族だから嫁のきてがない漢戦士達もいる。そんな彼等の中には異性を好むをやめ、同性愛へと目覚める者もいる。
と、なれば?
少女のような線の細い、華奢な身体を持つ健太はそんな彼等の絶好のターゲットにもなるから彼のか弱い肢体を
それに彼、健太は賢い少年だから自身の口ではハッキリと口にはださないのだが。健太自身が元カノ、妻、妃だったアイカに完全に見捨てられ。放置されたことを彼は悟っている状態なのだ。
だって健太が幾度となく漢戦士達に絡まれ、荒々しい所業、虐め行為に遭う。遭っている最中に自身の彼女のはずのアイカが、自身のことを守護、守る行為をおろそか、破棄、放置してウォンと二人中慎ましく、和気藹々と会話をしながら歩いている場面を何度も見た──。虐められている最中に健太は何度も遭遇をした。したのだが。
健太の彼女、物だったはずのアイカは、先ほど説明した通りでおばば達長老から健太の件は放置──素知らぬ振りをするようにと指示がでているから。
自身の彼が虐められていても奥歯を噛みしめながら素知らぬ振りをし。その場を足早に通り過ぎて消えていく様子を健太は何度も目にしているから。
この世界にある。あった物を全部失った健太だからもう自身の故郷、異世界日本、自身の家、両親の許へと帰還したくて仕方がないのだと泣き、喚き、嘆いているのだ。
この貧相な小さな小屋の中で寝転がりながら。
う~ん、でもさ、こんな貧相な小屋の中でいくら健太が引きこもりをしながら身を潜めて生活を続けていようとも。
「サラ扉の前に食事だけ置いて今日はもう神殿へと帰ろうか……。御方もお腹が空けば扉を開けて食事を取るだろうから今日は帰ろう……。特に御方は自分の事を見捨てた私達妃の顔等見たくはないだろうから早くこの場から立ち去ろう。サラ……」と。
エリエは夫のために何もできない自分のことが口惜しくて仕方がないと自戒するから。今にも泣きだしそうな顔、小声で自身の妹へと帰宅をしようと告げれば。
「そうだよね。健ちゃん。エリエ姉の言う通りで、絶対にサラ達のことを恨んでいるから。顔など見たくはないよね。きっと……」
やはりサラも姉のエリエと一緒で無力な自分自身を呪いつつ自戒しながら言葉を返せば彼女はすぐに嗚咽……。
「うぅ、うううっ。ひく、ひく」と泣き声を漏らし始めるから。
サラの姉であるエリエもつられるように。
「うぅ、うううっ。御免なさい。御方……。許して、許してください。お願いしします」と、嗚咽を漏らしながら謝罪をし。二人は健太が一人暮らす質素な小屋を後にするのだよ。
でっ、これが夜の夕刻以降ならばこれでお終い。健太は安息の時間を迎えるのだが。これが朝や正午の陽が高く、日差しが地上を照らし──スコール、晴天が繰り返される頃、時間だと。
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