第67話 最弱の男王はオークの種族の習わしと掟を知らないようだ(19)

「……ん? ああ、たまたまだ。たまたまだよ」


 ウォンは自身への問いかけに対してニヤリと微笑みながら若い漢戦士達へと言葉を返したのだ。


「へぇ、そうなんだ」

「そうなのか」

「フムフム」

「なるほどね」と。


 ウォンの言葉を聞き、若い漢戦士達は納得したように自身の首を縦に振る者や頷く者、相槌しながら言葉を返す。呟くと。


「ウォンさん本当にウルハもあのチビの嫁なのかよ?」と。


 この小さな国の男王であるはずの健太のことを蔑み、侮りながらウォンへと問う者が現れる。


「ああ、本当だよ。ウルハはあのチビのもう嫁だ間違いない。あのチビの横にある籠の中を見てみろ女達の衣服や下着が籠から溢れんばかりに入っているから確認をしてみろお前達……」


 ウォンはこの場にいる若い漢戦士達へと苦笑を浮かべながら自身の首を何度も動かし、ジェスチャーして見せながら。地面にへたり込み呆然、唖然としながらサラとウルハの喧嘩の様子を傾奇者、ヤンキー姉ちゃん達と一緒になって凝視している健太の真横にある籠の中身を見て確認をするようにと告げる。


 だから若い漢戦士達は、健太の真横に置いてある大きな籠を遠目から見詰め始めるのだ。


「あぁっ、本当だ!」

「ウォンさんの言う通りだ」

「あのチビの」

「あのクソガキの」

「あの名ばかりの男王の真横に置いてある籠の中に女性の肌着が多々ある」

「ああ、女達の衣服や下着沢山見えるな」

「何で赤ん坊のオムツまで入っているのだ?」と。


 ウォンの話し、説明を聞き、慌てて自分達の顔と目、瞳、視線を向け、確認をした若い漢戦士達は自身の顔色を変えながら男王健太への不満を漏らす。吐く。放つのだよ。


 相変わらず自分達の男王である健太のことを蔑み、侮り。悪態をつき、罵詈ばりしながら騒ぎ始めだす。


 そんな彼ら、若い漢戦士達の喧騒する様子をウォンは自身の口の角を吊り上げニヤリと薄ら笑いを浮かべながら満足そうに見詰めるのだよ。




(お願い)


 レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る