第61話 最弱の男王はオークの種族の習わしと掟を知らないようだ(14)
サラ自身も、自身の大事な主に対して優艶に纏わりつき、抱きついて、甘え戯れる傾奇者の姉ちゃん達、ヤンキー姉ちゃん達の許から健太を救出する行為をやめてこの通りだ。
この群れ、グループの頭、長であり。自身の従姉でもあるウルハと対峙──。
麗しい二人は仲良く、自身の眉間に皺を寄せながら強張った顔。いかつい顔をした。したと思えばね。
〈ザッ、ザザ……〉
〈ザッ!〉
〈シュン!〉
二人はお互い仲良く相手の方へと素早く詰め寄り。力強く地面へと足踏み、踏み込めば。
己のグッと強く握った握り拳をお互いの麗しい顔、頬へと向けて打ち込む。
だからお互いの顔、頬から。
〈ドン!〉だ。
ドン! と、鈍い音を立ち響けば二人は、某アニメのクロスカウンター状態へと陥っている。
でもね、二人は人種ではなくオーク、ハーフオークのアマゾネスだから某アニメのようにどちらかが。
『ぐはっ』と声を漏らし。相手の前へと倒れることもなく直ぐに、今度は相手の腹部を狙う鉄拳パンチを繰り出すのだ。
〈ガン!〉
〈ボコッ!〉だよ。
でっ、お互いが相手の腹部にパンチを入れたら。
「やったね! サラ!」
「やったのはウルハでしょうに!」
「サラ、お前! うちの腹ばかり狙うけれど。子供ができなくなったらどうするきだい。いい加減にしろ!」
「ウルハ、あんただってサラのお腹ばかり狙っているじゃない。もしもサラのお腹に健ちゃんの赤ちゃんがいて流れたらどうするの?」
「はぁ、それを言うならうちだってそうさ。もしもできて子が流れたら。サラあんたの事を殺してやるからね」
「ウルハ! それを言うならばサラだって健ちゃんの赤ちゃんが流れたら。ウルハ、あんたのことを殺してやるのだから」と。
まあ、二人揃って健太自身もよくわからない。理解しがたいことを勇み、荒々しく吐き。放ち。咆哮、吠えながら。拳と蹴りと、を交合にリズムよく繰り出しながらお互いが相手の肢体へと『バン!』、『ガン!』、『ボン!』と、鈍い音を立ててヒット、直撃させる一進一退の攻防戦、肉弾戦を始める。おこなうから。
「ちょっと二人とも……。サラちゃんもウルハさんも喧嘩をやめてよ。おねがいだから。僕のために二人は争わないで。おねがいだから」と。
何処かで聞いたことのある昭和のラブソングの中に含まれる詞。女心、気持ちを表した詞のような台詞を男の子の健太が女の子みたいに嘆き、悲しみながら漏らす。呟くから何とも言い難い様子なのだ。
でっ、逆に健太に優艶に甘え戯れ悪戯行為をしていた淑女のお姉さま、お嬢さま、少女達はと言うと?
(お願い)
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