第46話 最弱男王は主夫?(23)

「エリエとサラの二人は、に備えながら結婚式と男王の襲名式の祝いの宴の続きの方をこのまま監視、見続けていてくれお願いだ」と、自身の妹君達へと小声で下知をくだせば。


「うん」


「ああ、長わかったよ」


 サラとエリエの二人が仲良く頷く。


 それを女王アイカは確認すれば今度は、この小さな国最高シャーマン、姫巫女であるシルファーの面影を持つ少女、彼女の実の娘である妹のプラウムへと視線を変え──。


「プラウムはわらわと一緒に健太を連れて神殿に戻り。癒しと介護をおこない。健太にとりつた病魔を追い出すからな」と告げれば。


 女王アイカは自身の膝の上で相変わらず悲痛表情で「痛い。痛い」と声を漏らす健太のことをお姫さま抱っこで抱きかかえ──。


「いくぞ!」と、プラウムへと声をかける。


「はい」


 プラウムからは直ぐに返事が返るから二人は顔を見合わせれば。


 そのまま自分達家族が住み暮らす神殿へと健太を抱きかかえたまま、この祝いの席、宴の席から立ち去り。闇の中へと消えていなくなった。


 でっ、その後は三日三晩生死を狭間を「うぅ、うううっ」と唸り声を漏らしながらさ迷う健太のことを女王アイカは姉妹で交代しながら看病、癒し続けた。


 そして四日、五日目以降に健太が目を覚まし、意識を戻せば。


「アイカさん、エリエさん、プラウムさん、サラさんもありがとう。本当に助かりました。貴女達のおかげで僕は死なずにすみました。本当にありがとう」と、女王アイカと妹達へと健太は涙を流しながら礼を告げてきた。


「うぅん、わらわは健太の妻なのだから。夫を精魂込め、慈しみながら介護をするのは当たり前のことだ」と、女王アイカは自身の美しい紅玉の瞳を濡らし、垂らし。健太の顔へと涙の粒をポタポタと落としながら呟けば。


「御方~。あぁ、あああ~」と。


 あの気丈でアマゾネス気質の強いエリエが幼い少女、乙女のように、意識を取り戻した健太の微笑みを見て、己の両目に腕を当て、泣き叫び始めれば。


「健太さんよかった。よかった」


 今度はプラウムが横たわる健太の顔に、自身の頬や唇を当て、甘え、戯れるように歓喜、泣き叫べばね。


「うわぁあああっ、健ちゃん! サラの健ちゃんがやっと目を覚ましてくれたよ。よかった。よかったよ!」


 サラが健太の薄い。貧弱、貧相な、ガリガリした胸の上に顔を埋めて泣き叫んだ。


 大変なこと、出来事が、女王アイカも含めた姉妹達の結婚、挙式の日。淡く、甘い初夜のひと時もお預けで、数日間アイカ姉妹が涙を流す不幸、厄災が降り注いだと言う訳なのだと、長々と説明をしたところで話しを元に、冒頭シーンへと戻すのだが。


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