第42話 最弱男王は主夫?(19)

 だからシャーマンの長老達は各自各々が顔色を変え。


「どうする?」


「どうしよう?」


「どうしたらいい?」と、相談を始めるのだが。


わたくし達の男王は異世界でも大変に衛生的に優れたが発展をした国で育って少年ですから。この地の水や食が合わず。食あたりを起こしただけですから太陽神が、自身の妃を異世界人にとられたから天罰を与えたと言うことはありませんから。みなはそんなに恐れおののいて大騒ぎをする必要はありません。だから女王アイカと男王健太の挙式と襲名式の方は続けないさい。わかりましたか、みなさん?」


 この小さな国、集落の最高のシャーマンであり。女王アイカの義理の母であるエルフの巫女シルフィーの一言、一喝で、この神の天罰による厄災騒ぎは直ぐに終焉を迎え沈黙化をする。


 でも、初めて口にした水と食事に当たり。彼が日々見て、視る。朗読していた異世界ファンタジーの物語の主人公ヒーロー達のように異世界転移が上手くいかずに食中毒を起こし。自身の顔色を変え「おえ、おえ」と、嘔吐──。


 自身のお腹を両手で押さえながら横たわり。


「うぅ、うううっ。吐き気が」、


「お腹が痛い。痛いよ」と唸る健太の様子を見て確認をすれば。


 女王アイカと彼女の妹君達。花嫁さまは、自分達の挙式や健太の男王襲名式などどうでもいい。


 もうそれどころではない。


 今は夫健太の方が大事だから国の政、祭事の方はどうでもいいのだと言うことはないだろうから。


 女王アイカはこの小さな国、集落の酋長、長、女王さまであり。


 彼女の妹君達。エリエやプラウム、サラは男王健太の妻、妃なのだから。


 自分達の義母、実母であるエルフの巫女、シャーマンであるシルフィーの言葉を信じて、各自各々が顔を見合わせれば。


「うん」と頷きあって、自分達の夫がしでかした。


 この集落の大騒ぎ、騒めきの収集に各自各々が努め始める。


「母上さま、御婆おばばさま達。わらわは健太を神殿へと連れて帰り。病気の介護をするので後のことはお願いします」と。


 自身の義母であるシルフィーへと嘆願する。


「ええ、わかったはぁ、アイカさん。ここはわたくしに任せて。貴女はあのひとのことをお願い」と、シルフィーは告げると。


 宴の席の会場とないっている広場の真ん中──中心へと向けて何故か彼女は移動を始め歩きだす。




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