第41話 最弱男王は主夫?(18)

 この集落に住み暮らすオーク種族の老若男女の者達が、自分達の酋長、女王であるアイカと他種族の少年……。


 それも異世界からのお告げにより召喚、迎え入れた。


 この小さな国に新しい風を運び込んで良き方向へと自分達のアイドル、女王アイカと共に導いてくれるはずの男王健太との婚姻、挙式と。人種の小さくか弱い健太の、男王しての襲名、就任の祝いの宴の席の最中でね。


 彼が、男王健太が、この集落に住み暮らす者達が新しい男王の誕生を祝い。歓喜しながら。


 夜の宴を催し祝い酒に食事と、老若男女問わず舞いに、舞い踊り歓喜する最中に嘔吐、腹痛を起こし。


 自身のお腹を押さえながら転げ、のたうち回ったものだから。


 この集落に住み暮らすオーク種族の老若男女の問わず驚愕しながらワッと騒めき。大騒ぎでね。


 集落に住み暮らす者達の中には。


「他種族の者を男王として迎い入れたから我らの太陽神様が御怒りじゃ!」


「太陽神さまは、自分の物である女王アイカを他種族の男に奪われたから。きっと御怒りなのだ!」


「この集落に不幸が、災いが降りかかるに違いない」


「大変じゃ! 大変な厄災が今後この集落に住む我らに降りかかるに違いないぞ!」


「どうする?」


「どうしよう?」


「どうするも何も」


「儂らは!」


「俺らは!」


「自分達は最初から女王アイカと他種族の男との結婚は反対だ!」


「反対だったのだ!」


「女王アイカは元々俺達若い漢戦士達の者だったのだ。それを巫女のお告げか、何か知らぬが勝手に集落の長老達シャーマンやと女王アイカとが勝手に取り決めた事だから。こんな厄災の前兆みたいなことがおきたのだ。だからこの婚姻は中止だ! 結婚も破棄させろ! 挙式も辞めさせるのだ! 我ら漢戦士達皆は他種族の男王を迎え入れて擁立することを断固反対! 反対するからな!」と。


 オーク種族最強の漢戦士である女王アイカの一族の者、従兄であるウォンまでもが異を唱え、反対をしてしまう始末にまで陥る大変な結婚式と男王の襲名式になってしまったようなのだ。



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