第38話 最弱男王は主夫?(15)
「おいおい、アイツ」
「何だ、あの優男は」
「あのガキの様子は」
「いくらあのチビが男王だからと言ってもあそこまで俺達の酋長に対して悪態をついてもいいのか?」
「良い訳ないだろう」
「女王アイカは男王だけのものではない。この集落の漢戦士達皆のものだ」
「そうだ。そうだ」と、この小さな国の男達の間から悪くびれた様子もみせずに女王アイカと妹達を傍から見れば顎で使う健太に対して集落内の若い漢戦士達は冷やかな目どころではないか?
怒りを覚えた様子で不平不満を漏らし始める。
だって女王アイカはこの小さな国のセックスシンボルであり。男達のオスとしての性である性欲のはけ口でもあるアイドルさまだからね。彼女を崇拝し拝み、奉るオーク種族の漢戦士達は、傍から見れば女王アイカを顎で使い。邪険にする他種族のひ弱で、軟弱そうな、青瓢箪の少年……。
特に健太の女の子みたいな華奢な容姿を見ればわかる通りだよ。他集落との争い。紛争でも智謀、知略、戦術など、他人の裏をかき。騙し、陥れるようなこと、面倒なことは好まない使用しないで各自各々が己の体力、技量──。
そう、個人の武と力を重きにおいた格闘戦を得意とする種族なのだ。オークと呼ばれる大型の二足歩行の種族はね。
だからどう見ても自分達武力に長ける種族よりも劣る種族である人種。その中でも更に小さくやせ細った華奢、軟弱肢体を持つ小さな子供のような少年が自分達の長、酋長、女王……。
そして自分達のセックスシンボルでもあるアイドルさまこと女王アイカに次ぐ一族の中でも漢戦士達に大変に人気がある憧れの
何の武も力も持たない男王の癖にアイドル達を独占し、顎で使い。使用しているのだから集落内の漢戦士達の健太への嫉妬、憎悪、不満や不服は日ごとに募るのばかりだから。
この小さな国を統治、治める女王アイカへの慨嘆、苦情、クレームは後を絶たない。
「おい、アイカ。いつまでお前のところのぐうたら亭主をだらだらと神殿内で遊ばせているつもりなのだ」と。
ある者が怪訝な表情で荒々しく女王アイカへと苦情を告げると。
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