第32話 最弱男王は主夫?(9)
女王アイカは夫である健太が家庭的な少年、夫ではないからもういらない。用無しだ。
だから今直ぐ出ていけ! 二度と自分の前に現れるな! と、彼女は憤怒しながら。動揺をしながら呆然……。雑巾らしき物を握り佇む健太へと荒々しく告げ急かすのだ、で、済む訳はないよね。
女王アイカは真っ赤な顔をしながら自身の美しい二つの紅玉の瞳を濡らしながら光り輝く粒を、健太の妻、妃らしくポロポロ垂らし。床へと落としている訳だから。
「ううっ。くそ。悔しい。悔しい」と、唸り声をもらし。
「わらわは、この集落の酋長、女王なのに人種のオス。それも未だ年増もいかぬ少年の健太に騙され。もてあそばられ、
女王アイカは自身と健太との大変に甘々した? 新婚生活を悔やみ、唸り声を漏らし、涙を漏らし、流しながら下を向く。俯くものだから。
流石に健太もこのまま永久に呆然と佇んだままで自身の妻、妃である僕の嫁はオークの酋長が唸りながら泣いている様子を放置しながら見続け。様子を窺っている訳にはいかない。
「アイカさん?」
健太は俯き涙を流す女王アイカのことを大変に心配している声色で、彼女の肩に優しく手を当て、おきながら優しく言葉をかける。
〈パチン!〉
でも健太はこの通りの有様なのだ。
直ぐに健太は自身の妻、妃である女王アイカから自身の手を、掌を荒々しく叩けれてしまう。
「健太! わらわの身体に触れるな! 触るな! わらわはもう貴様の妃ではないのだから安易に触り。触れるではない!」と。
女王アイカは、この屋敷、神殿内の掃除をすることに対して不満、悪態をついた健太へと、相変わらず泣きながら罵声も付け加え吐いてきたのだ。
更に彼女は、女王さまは、「うぅっ」と唸り。
「わらわのことを騙し、裏切った健太! 貴様のことを今から八つ裂きにして殺し。食らぅてやるからな。覚悟をしろ。健太! わかったな!」と。
健太が自身の体中から冷や汗タラタラどころでは済まないか?
自身の身を竦め、震え、恐れ慄いてしまうようなことを唸りながら告げてくるから。
健太は『うわぁあああっ! 助けてぇえええっ! アイカさん、僕のことを食べないで! 食わないで!』と、絶叫をあげながらこの場、神殿内、女王アイカの面前から逃げ、逃走を始める。始めだすことはしない。彼は、健太はしないでね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます