第33話 最弱男王は主夫?(10)

 健太は直ぐにその場、この場で『ピョーン!』、『ヒョイ!』、『バタン!』と、直ぐに座り込み正座をする。始めだす。


 だから女王アイカは『チラリ』だ。


 涙をポロポロと落とす。零して「わん、わん、わぁーん。わぁーん」と、自身の口を大きく開けて泣く。泣き叫ぶ行為をやめて、自身の真下。眼下を見詰め様子を窺い。


(……ん? 何だ? 健太の奴が座り込み始めたぞ。何をするきだ。健太の奴は?)と「シクシク」、「ヒック、ヒック」と、女王アイカは泣き癖を漏らしながら思い困惑をすればね。


「アイカさん、ごめんなさい。ゆるしてください。掃除をすることが夫の仕事、義務ならば。僕は今後不平不満のある顔をしません。悪態をついたりしませんから。アイカさんゆるして。そして泣かないでよ。お願いだから」


 健太は平に平になのだ。何度も何度も女王アイカ、自身の妻、御妃さまに対して異世界日ノ本の人間らしく土下座──。東の陽ずる国の民らしい謝罪の最高奥義を持っておこない。異世界、オーク種族の酋長をしている自身の妻へと深々と頭を何度も下げては平謝り。土下座をする。


 まあ、健太は御妃さまへとし続けたからね。


「そ、そうか。健太はわらわのことが好き愛しているから。今後はわらわに対して不平不満を言わずにちゃんと我が家の主、夫らしく掃除。主夫業である家事をしてくれるのだな」と、女王アイカは、自身の目、瞼の端からポロポロ落ちた。垂れた涙を自身のしなやか、細い指先で拭いながら『エヘ』、『テヘ』と、可愛く微笑を浮かべ漏らしながら。女王アイカは新婚生活ホヤホヤの新妻らしく初々しく振る舞いながら健太へと呟くのだ。


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