第25話 最弱男王は主夫?(2)

 う~ん、それでも、この熱さ、蒸し方は流石に今の健太には少々辛い。辛いのだ。


 だって彼は、健太はね。未だ夜明けの早朝だと言うのに自身の身体を忙しく動かし、作業をしている。


 そう、彼は何故か、四人の妻、妃がいるのにも関わらず、自身が馬や牛のように四つん這いになり。部屋の床を動物の毛皮でできたをおこなっているのだ。


 だからもう既に彼は、男王健太は暑く蒸して仕方がないのだ。


 まあ、この気候と気温、湿度だからね。彼の口から洩れる。呟かれる。嘆く言葉と言えば。


「はぁ、暑い。暑いな。本当に暑いな……。僕の生まれ育った日本のようにか、せめてでもあれば熱くないからいいのに」と。


 健太は只今自分自身がいる。立っている部屋の中を見渡し。眺め。観察をしながら自分自身の生まれ故郷であるのこと。便利機械。家電製品であるのことを遠くを見る目をしながら懐かしく思い嘆く。


「ああ、せめてハンドタイプ、携帯タイプの電池式の扇風機でもあればいいのに」と、彼は更に嘆きながら思い。


「普通はこんな場面になる。出くわせば。異世界転移した。果たした主人公(ヒーロー)扱いの僕だからたまたま自身の所持していたバッグの中に携帯扇風機があり。それを使用しながら僕が只今している作業を涼しく難なくこなしていきそれを見た。確認をしたアイカさんやエリエさん。プライムさんにサラさん達が僕の容姿、様子を見て驚愕しながら驚嘆を漏らし。『健太すごい』、『すごいね』と、褒め称えてくれる場面のはずなのにね。そんな便利アイテム、機械、家電製品は僕と一緒に異世界転移を果たしたバッグの中には入っていないので無理だな。はぁ~」と、健太は最後に大きく溜息をつきながら嘆くのだ。


「ああ、なんで僕は携帯扇風機を所持。持っているにもかかわらず。僕が学校の通学や下校。塾へと通う。帰宅のおりには必ず使用する。持っているバッグに携帯の扇風機を入れていなかったのだろうか……。只今日本は真夏最中なのにね。はぁ~」


 健太は更に、更に嘆くのだよ。今度は部屋を見渡しながらではなく天を、天井を仰ぎながら。


 やはり彼は大きく溜息を洩らしながら嘆き。


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