第17話 最弱男王の異世界ライフの始まり(3)

「アイカ姉、エリエ姉やプラウム姉の言う通りだよ。健ちゃんもプラウム姉の治癒魔法で傷口だってこの通り癒えてなくなっているし。健ちゃんの寝息だって荒々しく激しい息遣いの方も、もう落ち着いて、普通に寝息を立てて寝ているから大丈夫。大丈夫だから。もうこの話しはやめようよ」と、末の妹であるサラが姉のアイカと健太を交互に見る。微笑みかけながら告げる。


「それよりもアイカ姉。血まみれになって汚れている健ちゃんの身体の方をみんなで綺麗にしてあげようよ。このままだと健ちゃん……。サラ達の旦那さまはいつまでも血生臭い。異臭を放ったままの身体でいないといけなくなるから」と、サラは女王アイカに笑みを浮かべながら自分達の夫である健太の肢体を清め、綺麗にしてやろうと告げれば。


「じゃ、姉ちゃん達。サラは外にいって、健ちゃんの身体を拭くための水を汲んでくるね」と、サラは呟けば。慌てて立ち上がり。神殿の外へと向かうために部屋の扉へと向けて歩行を始め歩き出せば。


「あっ、サラ済まない」と、女王アイカがサラの背を見詰めなら呟けばね。


「いってらっしゃい」


「よろしく頼む」と。


 相変わらず健太を膝枕──。自分達の夫健太を独占状態でいる。出来ているプラウムが御機嫌麗しくサラへと声をかければ、姉のアイカと妹のプラウムの言葉、台詞につられるように次女のエリエも、末の妹であるサラの背に向けて声をかける。


 でっ、時が経ち。サラの水汲みが終わり。姉妹仲良く渾身的に、自分達の夫、健太の血まみれになっている身体を丁寧に隅々まで拭いてやり。綺麗にしてやると今度は、夫健太の下がりきった体温を姉妹仲良く。喧嘩などしないで、ちゃんと交代をしながら自分達の柔肌で健太に抱きつき甘え、戯れながら温め優艶な介護……。



 姉妹が仲良く協力をしながら夫健太へと渾身的な介護をしたから大事には至らずに健太はこの通り元気に朝早くから起きて動く。動いている。


 そして女王アイカとその妹達。エリエとプラウム、サラ達。女王アイカの一族の者達のために従者、執事。牛馬の如く尽くし働く日々があれから続いている。


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