第18話 最弱男王の異世界ライフの始まり(4)

 まあ、続いているからね。今日も健太は元気良く。朝も早くから自身の妃である女王アイカに向けてね。


「起きて! 起きてぇっ! アイカさん! 朝だよ! 朝ー!」と、彼は声を大にして叫ぶ。叫び呼ぶのだ。


 まあ、叫ぶ。叫び続けるだけではないようだ。健太の様子はね。だって彼は、健太は、その場に座り込み。今度は自身の妃の艶やかな肢体の背……。



 そう、着衣を何も身に着けずに裸体のままで寝ている女王アイカを軽く押し、揺すりながら。


「アイカさん、起きて。起きてよ。おねがいだから」と、健太は困った声音で女王アイカ、自身の妃へと告げ起こす。起こそうと試みるのだが。


 まあ、この通りだ。女王アイカはね。いつもの如く、いつもの調子ではないのだが。この家、この屋敷、神殿に住み暮らす。女王アイカ、酋長の一族の女友達は健太が産まれ育ったでの女性達、達とは大変に生活習慣、風習が違う。違うのだよ。この通り違うのだ。


 そう、健太の産まれ育っただと結婚生活は普通、一般的な家庭はね。ベッド、敷布団に横たわる。寝ている。中々声をかけても起きない主、夫、旦那さまのことを女房、妻が、一家の大黒柱の背に手を当て触り。押し。夫の身体を揺らしながら『起きて、起きてください」が、一般的な家庭の早朝の様子。夫婦の触れ合い。営みのはずなのだ。ましてやこの二人。女王アイカと健太なのだが?


 未だ新婚ホヤホヤの二人なのだからでは新妻さまが、新たな自身の主、夫の背を淡く、甘く、囁くように優しく『あなた、起きて。起きてください』のはずなのに。この家、この屋敷。神殿での夫婦間の家庭生活、営み、暮らしの方はどうやら違うようでね。


 女王アイカの主、夫。この集落の男王である健太が、新婚ホヤホヤの麗しい妻、妃である女王アイカの背に優しく、自身の華奢で小さく。女の子みたいな軟な掌を当て、触れ、揺すっているのだ。大変に愛おしそうには、ないよだね。(笑)


 健太自身が少々困り果てた顔をしている。しながら自身の大事な妻、妃の背を優しく、柔らかに、穏やかに押し、揺すりながら声をかけ起こしている。いるようなのだが。


 それでも健太の大事な女王さま、お妃さま、奥方さまは起きてはくれないようのだ。


(う~ん、どうしよう? アイカさんは、中々起きてはくれないようだね)と、健太は自身の脳裏で呟く。


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