第10話 羞恥心が無くなった僕 (5)

「ほう」


「うふっ、ふふふっ」


「へぇ~、そうなんだ。アイカ姉……。子供なのに凄いね、この子は。そんなことも知っているんだ」と最後。後からきた。この寝所に入ってきた麗しいオーク種族の御嬢さま、少女の三人の内で一番若い。幼い少女が感心し、頷きながら女王アイカへと問いかける。


「うん、そうだぞ。サラ。だからサラの初夜。初めての床入りの件は、わらわ達の婿殿に関しては心配御無用であり。不要のようだ。だからお前達三人は何の心配もすることもないし。怖がらなくてもよいぞ」と。


 女王アイカは自身の真横で、相変わらず身を竦めながら座り込み、怯える健太が更に自身の顔を赤面する。恥ずかしくなることを平然と自分達二人──。自身の伴侶である少年健太のことを己の身体を折るように屈めながら両腕を膝に当て好奇心旺盛。興味津々に見下ろすように見詰めている末の妹であるサラへと言葉を返し。最後には残りの二人。やはり健太のことを真剣な顔、形相で、己の腕を組み、『フムフム、なるほど』と言った感じ、様子で見下ろしながら真剣に見詰める次女のエリエと。女神のような笑みを浮かべながら健太のことを見詰める三女のプラウムなのだが。この三女のプラウム嬢だけはハーフなのだろうか?


 女王アイカを含めたエリエ、サラ達三人のような肌の色。完全な緑色の肌色ではなく。白い色と、が混じりあった薄いグリーン色。パステルグリーン、黄緑色に近いような不思議、神秘的な色合いをした肌を持つ麗しいお嬢さま……。


 まあ、そんな様子の妹君達三人へ女王アイカは微笑みかけながら告げる。でっ、告げ終えるとね。


「ねぇ、健太~?」と、自身の真横にいる。赤面しながら大人しく座っている彼へと、一応は自分の物、所有物だと言わんばかりに女王アイカは急にしな垂れかかり。彼へと優艶に甘えながら問いかけ始めだす。


 だから健太は、「えっ! あっ、あの、な、なにかな、アイカさん?」と、自身に甘えるアイカに対してしどろもどろと、己の内気でひ弱な面、様子。男王らしくない振る舞いを見せながら呟き、言葉を返していく。






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