第4話 僕の口の中のうごめく異物の正体は何? (3)

だから彼も、【僕ちゃん】もね。緑の肌をした麗しいお姉さまの微笑みにつられ、彼女の要求を呑み従うように自然と己の瞼、両目を開けていく。すると彼の、【僕ちゃん】と、呼んでも良いほど可愛い少年の二つの目と瞳にはぼんやり、薄っすらと、真っ赤な髪色。紅色の髪色をした女性の顔の輪郭が映し出されていく。くるからね。


「あなたは、だれなのですか?」と。少年は自身の両目、瞼を更に大きく開け、動揺をしながら彼女、麗しい緑の肌色をした御姉さまに問いかける。


「うふ、わらわか?」


「はい! そうです」


「う~ん、わらわはなぁ?」


「はい」


「今日から可愛い君の妻なる。このオーク種族の、集落の長であり。酋長であるアイカと言う者だ……。だからわらわの可愛い婿殿、今後はよろしく頼む。頼むよ。(チュ)、(チュ、チュ)、(ブッ、チュ~)」とね。


緑の肌色をした麗しく、美しいお姉さま、名前アイカ……。


そう、彼が、少年が只今いるこの小さなオーク種族の酋長であるアイカは、(わらわの婿殿は何て可愛いのだ)と、自身の脳内で思いながら。また可愛い【僕ちゃん】の額、頬、首筋へと優しく、まんべんなく何度も接吻、キスをしながら説明していくのだ。


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