第11話 凹む男、眠る
山根食堂で食事を済ませた僕は帰路についていた。
今夜はこの時期にしては涼しいように感じる。恐らく明日気温が下がるのだ。
しかし、奴が言っていた学祭を楽しみにしておけという言葉が引っかかる。
学祭は10月中旬に執り行われる大学内で一番の行事だ。この学祭のために一芸を磨いたり各サークルで出店の準備をしたり、中には学祭の間について女性と恋仲になろうとする不届き者もいる。
まあ奴が色恋に興味を持つとは思えないし、やるとすればくだらん研究の成果を見せつけるとか言ってメインの舞台に飛び込み参加してそのひねくれた脳内から飛び出す言葉で多くの学生を撃破していくつもりだろう。
仕方なくこの僕が止める羽目になるのだろう。
……まさかと思うがそれ以上のぶっ飛んだことをしはしないだろう。
僕は学生マンションの自分の部屋を開けて中に入る。
エアコンで冷やされた部屋はとても居心地がいい。
僕は汗ばんだ服をカゴに入れて風呂に入った。
シャワーを浴びながら僕は今日あった嫌な事をひたすら忘れていった。
とにかく今日は疲れた。
夏に外を歩くことなんてそうそうない僕には辛い1日だった。
風呂から上がると僕は古本を袋から取り出して本棚へと収めた。
新しく本を迎え、本棚に収めた後というのは非常に清々しい気分になる。
僕は1日の最後に良い気分ができたと思い寝床についた。
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