山吹修一郎③ ひねくれ小旅行!

第1話 ひねくれ小旅行の始まり。

 私は目覚める。

 今日という日も私のひねくれきった頭は調子が良いようだ。


 最近は常にこの部屋で研究に勤しんでいる訳だが、たまには少し外に出るとしよう。

 矢田氏は今、小説を仕上げるのに躍起になっていることだから、私のやる事に口を出すものはいないだろう。


 ふっふっふ!全て計算の内なのだ!


 私は適当にそこら辺の服を手に取り、パジャマから着替えて外へと繰り出した。




 季節は秋へと向かい始めているがそれでもまだ暑い。全く嫌になる暑さだ。

 私は汗をかくのはいやなのだ!

 とはいえ、まだ試験段階の汗の代わりとなる体温調節装置はまだ改造中で使えない。


 おのれ!本来ならば夏には完成させて優雅な生活を送るはずだったのだ!

 全ては我が懐事情故だ!おのれおのれ!



 と、我が研究の進みが遅い事をウダウダ言っていてもしょうがない。

 今はこの常人ならざるひねくれきった頭を使い、ひねくれた事をすることだけを考えれば良いのだ!


「しかし暑い。暑くて頭が溶けてしまいそうだ。………………そうだ」


 私は財布の中を確認した。


「おおー!あった!バス無料券。よし、これを使い日帰り小旅行をしようではないか!」


 ひねくれ者のあてのない1日旅の始まりである!


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