第117話 お馬鹿さん
「それで、結局そいつはなんなんだ。」
「お兄ちゃんみたいなもんだってことにゃ変わりないよ?どうせ人間やってた時一回家族やってたし。」
「気に入らんな。ガミヤはやらんぞ。」
「あ?
「やめてね。そういうよくわかんない喧嘩は。」
なんだってこの二人はこうも喧嘩するほど、仲が悪いんだろうか。
最近ずっとコタのせいで
あー、もー、面倒だなぁ。
まぁ、面倒なとこも好きだけどさぁ。
なーんで惚れちゃったかなぁ?
「ちょっと凄いこと言っていい?」
「なんだ?」
「俺様、男なんだぜ?男の神様。わかる?」
一瞬固まった才造は少し考えてから、首を振った。
「いや、それはないな。」
「なんでさ。」
「前に風呂を覗いた時、確かに、」
思いっきり頬をうった。
音が響く。
「ちょいと、ビャクんとこ行ってくる。」
二人に背を向けて影に入り込んだ。
才造がそういうお人だって聞いてないんですけど。
は?
普通覗く?
馬鹿なの?
冗談が冗談で終わってないんですけど、どうすんのよ。
隠れ湯しか使ってないはず…。
いつの間に知られたんだ場所…。
また別のとこに作るしかないねぇ。
コタといい、才造といい、男って皆こうなのかしら。
人間だけかと思ってたわ。
忍も神も同じか。
「失礼しますよ、っと。」
「夜影!って、才造さんは?」
「あぁ…アレのことはお気になさらずー。」
「怒ってる?」
「それよか、面白い話があるんですよ。」
「え、あ、何?面白い話って。」
「俺様が本当は男だってこと。」
「え?えぇ!?嘘!だって胸あんじゃん!」
頭に拳を落とす。
「痛てぇ!!」
「忍を忘れたか?
「いーや、信じたくねぇ!あと、才造さんが言ってたし!ずっと変化の術使うとか体力可笑しいし!」
「才造がなんて?」
「着替えてる時覗けばわかるって。」
再び頬をうつことになるとは思わなかった。
「ったく、
「めっちゃ痛てぇ…。」
「次覗いたら吊るす!」
「すんませんでした。」
こいつも冗談通じる前にやらかしてるし。
もう嫌。
仮にもあんた王様でしょぉ?
なにしてんの。
馬鹿なの?
馬鹿なのかな!?
「本当に男だったら良かったかもしんないわ。もうずっと忍術使ってやろうかな。」
「えー、それはないわー。」
「黙んな。この餓鬼!」
「
こりゃ、しばらくは影で着替えも全部済ませるしかないな。
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