第13話 死に話と開口

 戦闘祭により得たモノは夜影ヨカゲ才造サイゾウが既にチート並みなことが出来ることと、賞金とレアアイテムだった。

 レアアイテムは夜影が使用方法もわからないという理由から俺に。

 最初からそのつもりでしかいなかったみたいなので有難く受け取っておく。

「夜影は死んだ時のことも記憶がしっかりしてるんだよな?」

「はい。それが如何なさいました?」

「お前が死んだ理由とかって聞いちゃ駄目か?」

「知りたいというのであればお話し致しますよ?」

 武器の手入れを一旦止めて、俺の方へ向き直る。

 話そうという態勢になったのはきっと、俺の答えが既に分かっているからだろう。

「悪い。」

「いえいえ、お気になさらず。ただの死に話じゃないですか。」

 まるでこれから御伽話おとぎばなしをしようかというようなノリでニコリと笑んだ。

 辛い話ではないのか、それともまたそう振舞っているだけなのか。

「さて、ここに来る前の死んだ理由を軽ーくお話しますと、一言で終わるんですが、」

「軽く!?ってか一言なの!?」

「そんな長々と喋ってられませんよ。」

「驚きなんだが……。」

「ご冗談を。まだ、一言もお話してないじゃないですかぁ。一言で終わるけど。」

 どっちが冗談なのか微妙だぞ今の状況。

「伝説の忍に殺されました。」

「え?」

「そんだけです。才造ががっつりいかれましたからね。ま、首が飛ばなかっただけマシなんじゃないですか?」

「え、伝説の忍なんかいんのか?」

「居ます居ます。もう弱ってたので相討ちでしたけど。」

「って、ことはソイツもこっち来てる可能性もあるんじゃないのか?」

「どうでしょうね。もしそうなら今度は勝てませんよ。」

 当たり前のことだというようにそう言うと首をゴキッと鳴らした。

 今のは骨が折れてても可笑しくない音だったが。

 だが伝説といえど忍だ。

 もし来ているなら雇うことも可能だろう。

 いや、自分を殺した忍と一緒に過ごすのは苦痛か?

「ま、どうせ忍だから雇ってしまえばって思ってんでしょうが、先に何処かに雇われてても可笑しかないんじゃないですかね?」

 読んだようにズバッとそう突っ込まれた。

 別に雇うことを諦めさせようという目や口調でもない。

 ただ単に可能性を言っただけの様子だ。

「才造が無口なのは?」

「あぁ、あれはただ心を許した相手だけに喋るって口なだけですよ。」

「ということは、お前とは本当に仲がいいんだな。」

「まぁ、長い付き合いといいますか、才造と初めてあったのは前前世からですし?」

「そうなんだな。」

「はい。あ、そろそろ夕飯作ります。では。」

 夜影が去った後、よく考え直す。

 さっき、なんて言った?

 前前世から?

 長い付き合い、が子供の頃を超して前世にまで!?

 普通に流したが、それはどうかしている。

 丁度才造が歩いてたので呼び寄せた。

 喋らないのは承知だが、頷くかどうかはするだろう。

「夜影とはいつから一緒にいるんだ?長い付き合いだとは聞いたが。」

「……。話すと長くなりますが、それでもいとおっしゃるならば。」

「お前喋んのか!?」

あるじには喋れとあれが言うものですから。」

 死人に口なし、生人はそれぞれ

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