Ep.2

お店の前で僕らは別れた。

家の方向は一緒なので、その必要性はない。しかし、何となく1人で帰りたい気分だったので、「用事がある」と言ったのだ。


正直、今日は少し疲れた…。

蒼依と普通に話せるようになったのは嬉しかった。でも、それで壁が取れた、とか昔みたいに、とはいかない…出来ている気がしない。未だに自分の中にある罪悪感や後悔が消えたわけでは無いし、会話している間も顔を見ることは殆ど無かった。

そんな状態でまともに会話出来たという気はしない。だが、誰かと言葉を交わす、というだけでハードルが高い今、相手が知り合いでも嬉しかった。

きっと周りから見たら、それの何処が普通なんだ、と思うだろうが。


「…………今日は久しぶりに楽しかった、なぁ。まだ、全然慣れないけど。」


それどころか、もう一生無理な気がする。

人と接する度に、―たとえそれが親だとしても― 孤独を求めている自分が、いる。また、繰り返すと。逃げていると分かっていても、怖くて仕方が無い。そして同時に――。


思考が負のループに入りそうになるのを、今度は寸前で止めた。また後で悠樹に言われる。怒られる、とこの場にいない彼のことを思い出したからである。


気づいたら家に着いていた。考えていたことを追い出すように頭を思いっきり振って、中に入った。

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