第11話
「じゃあ水瀬と田中とほか誰かやりたい人いるか?」
「やりたい人が入ればいいんじゃないか?」
「おっけーじゃあそんな感じで。とりあえず筋トレ始めんぞー」
あぁもうまじかよ
なんかどんどん決まってるわ
しかもなんかテキトーな感じだし
んで、、来てしまったエチュードだけど…
即興か…苦手ってかやったことないんだよな
相手は…めっちゃやる気あるし…
目キラキラさせて腕まくりなんかしちゃって
「センパーイ始めますよー!」
うええええ呼ばれたぁ
「大体の流れは……」
なんか…王子役をやらされるハメになったんだが?
しかも攫われた水瀬を?
俺が?敵をなぎ払いながら?救出する?
王道ファンタジー????
ありえんだろ
まあやるしかないか
「助けて!ハジルクス王子!!」
やっべー…
めちゃくちゃ迫真の演技するやん……
てかなんだその名前…
「待ってろ…!今助けてやるから!…?!」
「ミナスティア姫は渡さん!我々親衛隊を倒せるか?!」「姫はお前の元より我らダルモンテ国にいる方が幸せなんだ!」
マジかよ男子部員全員が敵かよ
入り込み早いし
むりだよー
「ぐっ…ふんぬっ…てりゃあっ」
やっぱ殺陣とか慣れんなー
これで倒れてくれないか??お願いだから
「うぉぉおりゃっっ」
「うおっ」「やっと」「ひえっ」
ふぃー上手く倒れてくれた
「?!」
「この師団長がそんなやわな攻撃で倒れるわけがないであろう!!!」
ぶ、部長…1番の敵貴方なんすか
周りも驚いてるよ……
「これで終わりだっっ」
「やめてくださいっ!きゃぁっ」
???何が起こったんだ?
姫が?目の前にいる?俺、守られた?
姫に????まじで??
「ミナスティア姫!おいしっかりしろ!なんで俺なんか庇ったんだ!!ミナスティア!」
エチュードは終わらないか
「おう…じ……貴方は…国を背負う大事な…1人…けほっ……」
「お、おい喋るな…今、手当をするから」
おお我ながらいい演技してる
「私なぞ…居なくても……うっ…今まで過ごした日々……とても楽しくて…暖かかっ…た……」
「姫っ…姫っ!俺は…君の分まで生きて…国を更に良くしていくことを誓うよ…。」
ああちょっと泣きそう
「ハイしゅーりょー!!水瀬いつも通り良い演技だなあ。田中ぁ!お前も良かったぞ、いつもの3倍ぐらい」
「は、はははどーも」
はーーーーめっちゃめちゃ疲れた
「センパイ!なんで最後抱きしめてくれなかったんですか?!あれじゃ姫は救われませんよ!!」
ん?
「え、だってあんな親衛隊居たら確実に切られるよね俺」
「それでも!やるのが王子なんですよ!!」
うっ…ごめんなさい
そんなはず…あったわ(仮タイトル) 蛙鳴雀噪(長期休暇中) @Jison
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