後編 ペンを持つけもの

「あ、お帰りなさい!あと、いらっしゃいませ!まずお部屋をお選びください!」

「まずどんな部屋があるか知らないと…」

「それもそうですね!ではますお部屋の説明から!」

「我は『みはらし』で頼むのじゃ。もう場所は分かっとるから先行っとるぞ。」

「はい!わかりました!ごゆっくり!ではお部屋を説明して周りますね!」


 部屋を周り始め数分後、やっと最後の部屋に着いた。


「そして最後に、ここがお部屋『しっとり』ですね!これで全部見て周りましたがどの部屋にしますか?」

「この部屋がいいです…!」

「はい!わかりました!ではごゆっくり!」

「あ…あの!オオカミさんはいつもどのお部屋で漫画を描いているのでしょうか…?」

「あ、それならお連れいたしましょうか?」

「あ…お願いします…!」


〜その頃スザクは〜


「さて、オオカミの部屋は…ここじゃな?」


 ガチャッ


「ああ、よく来たね。」

「あなた、先生の下書きを狙って来た泥棒ね!大人しく捕まりなさい!」

「こらこら、客人に失礼だよ。彼女は私が漫画を描くところを見に来たんだ、つまり…」

「あなたは、ギロギロのアンチね!」

「全然違うのじゃ!我はファンじゃ!ファンだからこそ一目見たいと思って来たのじゃ!」

「なんだ、そうだったなら私と同じね!」


 二人が固い握手をした瞬間、部屋のドアが開いた。誰かが来たようだ。アードウルフだ。


「お、やっと来たね。もう最後のページだよ。」

「あれ、我もまだ出ておらんぞ?ちゃんと我は出てくるんか?」

「ということは私もまだ出てない…というか出ない…?」

「ちゃんと出てくるよ。安心して。ここで事件が迷宮入りして…そこにこの事件を解く救世主ペアが来る。」

「うわぁ…みるみるうちに仕上がって行きますね…」


 いきなりキリンが興奮した様子でこう叫んだ。


「先生ェ!完成しましたか!?」

「ああ、今ちょうど終わったところだよ。ただ君に見せるのは製本してからね。あとキリン、もうちょっと静かにしてくれるかな?他のお客さんもいるだろう。」

「ぐっ、わかったわ。しかし、今見れないのは辛いわね。」

「こんな風にいつも書いてるのじゃな。執筆風景を見れて我は満足じゃ。」

「そうですね…!」

「さて、山に戻るかの。フィルターも留めておかないとじゃからな。」

「あれ、その役目って板に託したんじゃ…?」

「そういえば、そうじゃったな。我は自由の身になったんじゃった。ただ、1日1回くらいはあそこに戻ってフィルターの様子を確認せんとな。」

「それだけ他の三柱と仲がいいんだね。」

「そ、そうではない!でもまぁ、それもあるかもじゃな。」


 こうして、オオカミのロケは平和に終わったのだった…

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