第2話


結局リアは、豹のランスをほとんど半死状態にして、帰路についた。

変身を解除する場所も、一応人目に触れないようにと気を遣っていたようだが、オレからすればまだまだだ。

実際、こうしてオレにばれているしな。


リオが住んでいるのはボロボロのアパートだった。

二階にある自分の部屋に入ったのを確認すると、オレはすぐにそこへ向かい、小型盗聴器をドアに張った。

壁を挟んで聞こえないような音も拾える優れものだ。


「……てか、オレは何をしてんだ?」


自分で自分の行動が分からないなんて、初めての経験だった。

リアが正義のヒーローの素質があったとして、それがオレと何の関係があるというんだ。

オレは曲がりなりにも悪の組織のボスだぞ? 正義のヒーローを打ち負かし、この世を悪に染めた張本人だぞ?

そんな男が、ここで一体何を……

ああ、そうかそうか。障害は早めに潰しておこうってことか。

無意識下でそんな判断を下せるなんて、やっぱオレ様は天才だな。


『てめえ! できないってどういうことだ‼』


そんなことを考えていると、突然男の怒声が聞こえて来た。


『ご、ごめん父さん。でも……やっぱり無理だよ』

『じゃあお前は、オレが借金のカタに殺されてもいいってわけか⁉ あぁ⁉』


ドゴッ! と、鈍い音が聞こえた。

蹴られたな。おそらく腹か。普通の女だったらヤバい一撃だ。

ランスは突然変異体で、人間の両親からでも生まれる。

故にランスは、親であろうとその正体をばらさないようにするのが一般的だ。

幸いランスは平均的な知能が人間よりも高く、さらに変身能力に目覚めるのは12~14歳が一般的だ。ランスであることを隠すだけの知能と判断を有していることが多い。

とはいえ、親に律儀に報告する馬鹿なランスもいるにはいる。

だがまあ、あの女はそういう手合いではないだろう。となると、このオヤジは娘を殺しかねない凶暴性をかねそなえているということだ。


「学校といい、家といい、ご苦労なこった」

『だからよぉ。さっさと売られてくれや。なぁ。おい!』


ドゴッ! バキッ!


痛々しい音を聞きながら、オレは扉の前で腰を降ろした。

……別にオレが何もしなくても、こいつは勝手に死んでいくだろうな。

そんなことを、冷静に思う。

この制裁は、リアにとって世界がどんなものかを思い知らせるために、神が与えた粋な計らいというやつだろう。


『いい加減諦めろや! 誰もお前なんか助けちゃくれねえんだよ‼』


その通りだ。

人助けをしたからって、誰かが自分を助けてくれるわけじゃない。

むしろその逆だ。

あの時だって誰も助けなかった。

オレの目の前で血だらけで倒れていたアイツを、誰も──


『……それでも』


ぴくりと、オレは反応した。


『それでも、私は──』




それはランスと人間の、最終決戦の場所だった。

立っているのはオレと、正義のヒロインを自称する馬鹿な女だけ。

オレ達は何度も拳をぶつけ合い、何度も倒れ、そして何度も起き上がった。

そしてその決着の時。

倒れていたのは、必ず勝つと謡(うた)われていた正義のヒロインだった。


「なんでだよ」


オレは思わず、そんなことを言った。

血だらけで倒れる彼女を、抱きかかえながら。


「お前、正義のヒロインだろ。なのになんでだよ。……なんでオレを助けたんだよ‼」


彼女に致命傷を与えたのはオレではなかった。

戦いのさなか、ボロボロだったオレの上に倒れてきた建物に、こいつは、オレを押しのけることで直撃した。


「さあ。なんでかな……。ただ、あなたを信じてもいいかなって、そう思っただけ……」

「オレは悪の組織で、お前の敵で、悪党なんだぞ! 何が信じてもいい、だ。オレは、お前が信じる価値なんてないんだぞ‼」

「……それでも」


彼女は、震える口で、ゆっくりと言葉を紡いだ。




『それでも、私は……信じたいって思ったの‼』



ドガアアン‼



オレの想像以上に扉はやわく、真っ二つに折れたそれは、部屋を一瞬で横切りガラスを突っ切って行った。

呆然とした父親の頬から血が垂れる。

あっぶねぇ。あと数センチ横にずれてたら死んでたな。


「な、なんだ……誰だてめえは‼」

「おいおい勘違いすんなよ。まるで正義のヒーローに怯える悪党みたいなツラしやがって」


オレはゆっくりと部屋の中に入った。


「オレはお前の同類だよ。正義なんざ反吐が出る。この世は腐ってて当然だ。だからな。そこの世界を知らないガキに、一言言いたくなったのさ」


オレはリアを見下ろした。

彼女は唖然とし、ただただオレを見つめている。


「……ヒーローってのはな。誰彼構わず助けてくれるもんじゃねえ。助けを呼ばれなけりゃ、誰かの叫び声を聞かなけりゃ、ヒーローだって助けちゃくれないんだ」


何を言ってるんだか。

自分で自分を鼻で笑う状況だ。


「お前はどうだ? 絶望しかない人生で。誰も助けてくれない世の中で。お前は一体、何を叫ぶ?」


リアは混乱していた。

混乱しながらも、オレの問いに突き動かされるように、唇を噛み、涙を流し、身体を震わせていた。


「……私、だって」


ぼそりと、リアは言った。


「私だって、世界を信じたい。人を信じたい」


リアは大きく息を吸い、叫んだ。


「みんなに、必要とされる人間になりたい!」


……どっかの正義のヒロインが、確かそんなことを言っていたな。

ランスの権利のために戦うオレ達に、どうして同じランスであるお前が、人間のために戦うんだと聞いた時だ。


「そんなの決まってるじゃない。人々から必要とされているからよ」


彼女はそんなことを、威風堂々と語っていた。

誰に笑われようと、誰に踏みにじられようと。

あの女は、それをプライドに、たった一人で戦っていた。



ドサドサドサ


懐から落とした札束を、二人は凝視した。

まったく。本当は地底人対策に使うはずだったってのに、こんなところで無駄な浪費をするハメになるとはな。


「おっさん。こいつを売るつもりなんだってな。だったらちょうどいい。オレがこの女を買ってやる」

「……は、ははは。ええ! ええ! それはもう‼」


父親が札束を一心不乱にかき集めている。

リアは未だ、夢の中にいるような瞳で、オレを見つめていた。


「つーわけでリア。今日からお前はオレのおもちゃだ。オレの命令は絶対で、泣き言は許さねえ。もしもその言いつけを守ることができるなら……」


オレはちらとリアを見た。

唖然としながらも、何かを期待するような目。それはまるで、正義の味方でも見つめているようで、心底忌々しかった。


「オレがお前を、誰からも好かれる人気者のヒーローにしてやるよ」



◇◇◇


天気は快晴。通信設備の感度は良好。

オレはビルの屋上で軽く準備運動をし、息を吐いた。

なかなかのヒーロー活動日和だ。


「おいリア。準備はいいか?」

『うん』


インカムから聞こえるその声には、少しだけ緊張の色が見える。


「リア。これがお前の初舞台だ。ここで失敗したら全てがチャラ。お前は一生日陰者で、クラスのいじめられっ子ってわけだ」

『もう! なんでそんな言い方しかできないの⁉』

「事実なんだからしょうがない。そうなりゃお前はオレのおもちゃである資格も失い、どっかの馬の骨に買われて一生をそいつの奴隷として過ごすことになるだろうな」

『……言ってろ! 絶対成功させてやる‼』


ブチンと、リアの怒りを体現するように通信が切れた。

怒りで緊張を忘れさせるという作戦は、簡単に達成された。


「馬鹿は扱いやすくて助かるな」


オレは双眼鏡で辺りを確認した。

すぐにトカゲのような姿をした地底人を発見する。

甲冑を着たそれは、逃げ惑う親子を追いかけていた。


「いた。二時の方向だ。いけるか?」

『いけなくてもやれって言うんでしょ?』

「お前もようやくオレの性格が掴めてきたな」


オレは一度通信を切ると、アゲハから借り受けた特殊なトランシーバーを起動させた。

アゲハの鱗粉には様々な効果がある。中でも鱗粉一つ一つが盗聴器の代わりになる能力は、悪の組織では非常に重宝している。

全員がその恩恵にあずかれるように、鱗粉が発信する電波を受信できるトランシーバーまで作ったくらいだ。


『お、お願いします! せめて子供だけは……‼』


女が懇願している。

抱きしめている五歳ほどの男児は、恐怖で麻痺しているのか、呆然としていた。


『ダメだね。舐め腐った条件で平和条約なんぞを結ぼうとしたアイツらには、オレ達がどういう存在か、思い知らせてやらなきゃならねえ』


そう言って、トカゲ男は下卑た笑みを浮かべた。


『グヘヘ。恨むなら、何の対策も打たない馬鹿な政府を恨むんだな』


トカゲ男が二人を襲おうと向かった時だった。


チュドオン‼


空から降って来た何かが地面にぶつかり、砂塵(さじん)をまき散らす。


『ぐあああああ‼』


トカゲ男の悲鳴が聞こえた。

砂煙が消えると、そこにいたのは変身姿のリアだった。

その手には、抉れたトカゲ男の腕があった。


「ふぅ。あぶないあぶない。二人とも、けがはなかった?」


教わった通りの笑顔を、リアは一般人に向けた。

使い慣れない表情で、少し無理をしていたんだろう。

腕を持つ手に力が入り、リアはブチュブチュと音をたててそれを握り潰した。その勢いで、抉れた方の傷跡から、ぶしゅうと血のシャワーが噴き出した。


「きゃああああ‼」

「わあああああ‼」


二人は一目散に逃げて行った。

オレは思わず通信を入れた。


「馬鹿かお前⁉ せっかくの救援者を脅してどうする⁉」

『ち、違う! 事故よ事故! そんなつもりなかったもん‼』

「そんなつもりもなく地底人の腕を握りつぶすな‼」


ぴくりと、オレの眉が動いた。


「……リア。通信状況が悪い。しばらく切るが、大丈夫か?」

『任せて。数はいるけど、全員さっきの奴と同じレベルだから、楽勝だよ』


オレは通信を切った。


「おもちゃ遊びに夢中だったとはいえ、こんなにきれいに後ろを取られたのは久しぶりだ」


オレは振り返った。

そこには、先ほどのトカゲ男をちょうど一回り大きくした地底人がいた。


「……お前、何者だ? 只者じゃないオーラをビンビン感じる。どう考えても、後方に回るような奴じゃない」

「勘が良いな。それに喋り方も知的で、なにより謙虚な姿勢がうかがえる。なんならオレ様がお前の上司になってやってもいいぜ?」

「抜かせ。地上の奴らの奴隷になんざ、死んでもごめんだ」

「偏見が強いな。不合格だ」


地底人が飛び出した。

が、すぐにぴたりと止まった。

いや、正確には止まらせた、か。


「お……ま、え……」


生暖かい感触が、オレの腕を包み込む。

久しぶりにやったが、やはり人様の腹を直接貫くってのは、気持ち悪くて慣れねえな。


「わかった……ぞ。……お前……15年前に……伝説になった奴だな。……ランスと、人間が……大々的にぶつかった……あの戦争で……ランスを……勝利に、導いた……」

「へぇ。オレ様の名前は地底にまで轟いているのか。感激だな」

「ぬか、せ。……貴様が現れたせいで、……我々の……地上殲滅作戦が、……延期することになったの、だ。……あのまま、……人間との、戦いで、……素直に、死んでいれば……よかったもの、を……」


オレは小さくため息をついた。

地底人は頑丈らしく、これくらいの傷ではなかなか死なないらしい。


「次こそは、こうはいかぬぞ。……必ず、地上を侵略してやる。……首を洗って待っていろ……。ランスの頂点にして、悪の組織のボス。不滅の魔王よ‼」


オレは一気に腕を引き抜いた。

血が噴出し、ぐるんと目が反転する。

地底人は、そのままドシャリと倒れ伏した。


「どうやらこいつが部隊長だったみたいだな。こいつが死んだ以上、奴らもさっさと撤退していくだろう」


そしてこれにより、地底人は地上に対し強く出ることができなくなった。

平和条約も、渋々飲むことになるだろう。

オレが撒いた偽情報に踊らされ、惚れ惚れするような脳筋根性で地上まで出向いてくれたおかげだ。


正義のヒロインの初舞台を成功させ、かつ悪の組織からの依頼を完遂する。

しかも地上殲滅作戦なる面倒臭そうな計画が進行中であることも突き止めるという有能ぶり。

我ながら素晴らしい働きだ。


オレは通信を入れた。


「そっちはどうだ?」

『終わったよ。てか、勝手に逃げ出してった』

「消化不良だな。だがまあいいだろう。お前の存在を世界にアピールすることはできた。撤収だ」


オレは血塗れの身体を見て、再びため息をついた。


「とにかくまずは、これをどうにかしないとだな」



◇◇◇


「入れよ」


オレがそう言うと、リアはおずおずと自宅に上がった。

オレの住む億ションの玄関に入った時から、ずっとこんな感じだ。


「し、失礼しまーす……」


オレはふっと笑った。


「殊勝な心掛けだな。お前は常にオレに対してその心を忘れるな」

「……誰も細谷君には行ってないんだけど」

「他に誰がいる」

「え? その……ご両親とか」

「そんなものいねえよ」

「あ、ごめんなさい。そんなつもりじゃ……」


どうでもいいことに気を回すリアを無視し、オレはリビングから見下ろせる絶景を眺めながら、スマホを操作した。


「うわ。すごー……。こんな部屋、初めて見た。……え⁉ なにこれテレビ⁉ 大きすぎない⁉」

「うるせえぞ。少し黙れ」


アプリを開き、SNSを確認する。

オレはにやりと笑った。


「SNSでは、さっきからヒーローの話題で持ち切りだぜ」


オレはテレビをつけた。

バラエティ番組がやっているが、画面の上にテロップが流れている。


「フハハハ! 速報に謎の女ランス出現だってよ。これだけで内容が分かる奴がいたら即刻雇ってやってもいいな」


オレはスマホをタップした。


「おい見ろ」


リアの前に、オレはスマホを翳(かざ)した。

そこには『シャドウ@ヒーローネーム』と書かれたアカウントがあった。

オレがこっそりと撮っておいた変身状態のリアの写真がアイコンだ。


「ちょっ! 勝手になに作ってんの⁉」

「馬鹿かお前は? オレはお前を人気者にすると言ったんだぞ。今時SNSも使わないでどうするよ」

「そりゃそうだけど……」

「フォロワー数が3万人を超えた。10万人突破もすぐだな、こりゃ」

「え? そうなの? 人気者じゃん……」


まんざらでもなさそうに、ぼそりとつぶやく。

ククク。良い顔だ。今からそれをどん底に落としてやる。


「実はもう一つ作ったものがある」

「……また勝手に」


オレはスマホからそのHPにアクセスした。

ヒーロー研究室と題されたHPのトップページ。

そこには、赤一色に染まる大きなメーターがあった。


「……なにこれ?」

「ヒーロー支持率だ」


メーターの下には、『あなたはヒーローを支持しますか?』という問いがあり、YESとNOで答えられるようになっている。

この問いに対し現在の支持率は、YESは0%。NOは100%だった。


『はっきり言ってただの迷惑』

『マジで死んでほしい』

『これさ。やってること、商品盗む動画をアップしてる奴と大して変わらなくね?』


そんな罵詈雑言が何ページにも渡って書かれている。

リアは愕然としていた。


「これが現実だ」


オレは静かに言った。


「誰もヒーローなんざ望んじゃいない。お前は必要とされる人間を望んだが、ヒーローは……いやヒーローこそが、誰も必要としていないんだ」


リアは動揺し、目を泳がせている。


「それでもお前は、ヒーローを続けるか?」


リアは黙った。

多感な女子高生にとって、この反響はなかなかにショックだろう。

だがこの程度で辞めるなら、どうせ遅かれ早かれどこかで辞める。

それなら傷口が浅い今、さっさと諦めた方がマシだ。


その時、ピコンと新しいコメントが届いた。

見ると、赤一色だったヒーロー支持率のバーに、ほんの薄い緑の線が入っていた。


『きょうはたすけてくれてありがとございました』


その拙い日本語は、誰が書いたものなのかすぐに分かった。

あの時怯えて逃げたはずの子供が、きっと母親を説得して、ここにコメントを残したのだ。


リアはそれを見て、唇を噛みしめた。

オレからスマホをひったくると、シャドウのアカウントでSNSにアクセスする。


『今日からヒーローとして活動するシャドウです。よろしくお願いします』


そのツイートを送信し、スマホをオレに突きつけた。


「これが、私の答えよ」


オレはリアを見つめた。


「私は……絶対人気者のヒーローになってみせる‼」


オレはにやりと笑った。


「面白れぇ。じゃあそれを証明してみせろ。人気者のヒーローになるか、正義に身を焼かれることになるか、オレ様が直々に見届けてやる」

「……望むところよ」


こうして、オレとこいつの奇妙な協力関係が生まれた。

悪の組織のボスと、正義のヒロインの卵。

この至上最大級のミスマッチが、最終的にどんな結果で終わるのか。

我ながら少しワクワクする。


天下を取って、高校生になって、退屈な日々を送っていたオレにとって、それは初めて訪れた刺激的な試みだった。


「じゃ、明日に備えて早く寝るぞ」

「……へ?」


リアが目をぱちくりする。


「なんだ?」

「いや、だって……え? 私、ここで寝るの?」

「他にどこがあるんだよ。もしかして、自分の部屋が用意されるとでも思ってたのか? 甘えた奴隷だな。このナリでいちいち物件買うのは面倒なんだよ。そんな手間、ご主人様にかけさせようとするんじゃねえ」

「じゃなくて」


リアは自分を指さし、そしてオレの方を指さした。


「……ああ」


オレはふっと笑った。


「安心しろ。そんな貧相な身体、オレは一切興味ねえ」


リアがオレの脛を蹴ろうとする。

オレはそれを足で防ぐと、そのままリアの鼻をぎゅっと摘まんだ。


「いたたたた‼」

「てめえ。オレ様を足蹴にしようとしやがったな?」

「ごめんなさい! ごめんなさい‼ 謝るから離して‼」


充分に謝罪の言葉を引き出してから、オレはリアの鼻を離してやった。


「今回は特別に許してやる。次はねえぞ」


リアは涙目で鼻を押さえている。


「さっさと寝るぞ。言っとくが、お前はソファだからな」

「この悪党っ!」


暴力でオレに敵わないと察したのか、今度は言葉の暴力に切り替えて来やがった。

オレはにやりと笑った。


「言っとくが、それはオレにとって誉め言葉だ」


口をあんぐり開けて、わなわなと震えるリアの姿は大変愉快だった。

オレは立ち尽くすリアを置いて、さっさと寝室に入って行った。


「オレ様野郎! 唯我独尊! アホ! バカ! 裏表激し過ぎ!」


考えつくだけの悪口をオレの背中に浴びせてくる。

オレはそれを無視して、寝室のドアを閉めた。


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