このままの時を・・・

勝利だギューちゃん

第1話

(ここは、どこだ・・・)

僕は、自体が飲み込めないでいた・・・


いつものように、高校への登校中に、突然激しい目まいが、おそってきたのは覚えている。

でも、それからが記憶にない・・・


(どうやら、病院のようだな・・・)

おそらくは、だれかが救急車を呼んでくれて、病院に搬送されたのだろう・・・

(奇特な方もいるもんだ・・・)


他にベットはない・・・どうやら個室のようだ・・・


(何日寝ていたのか?)

当たり前だが、よくわからない・・・・


目覚めてから、色々と物想いにふけっていた・・・

数分のような・・・数時間のような・・・

時間の感覚がまるでない・・・


窓はない。よって、昼か夜かもわからない・・・


(そうだ、腕時計・・・)

左腕に目をやる。だが止まっている・・・


室内に時計は飾っていない。


今が朝なのか、夜なのか、それすらわからない・・・

ただ、線香の匂いがする・・・


しばらくすると、いきなりまばゆい光がした・・・

そこへ目をやると、1人の女の子が降りてきた。

格好からすると、僕と同い年くらいか・・・

ますます自体が、飲み込めなくなった・・・


「迎えにきたよ・・・」

「・・・迎えに来たって・・・」

彼女の言葉に、僕はそれだけ言うのがやっとだった・・・


「残念だけど、君は死んだの・・・」

「死んだ・・・ならここは・・・」

「そう、遺体安置所よ・・・」

彼女の言葉に、疑いの気持ちはなかった・・・


「ところで、君は?」

僕は彼女に質問をする。

もう見当はついているが、念のために訊いてみた。

「君たちの世界では、死神と呼ばれているわね・・・」

「死神・・・そっか・・・」

不思議と恐怖はなかった・・・


「驚かないの?」

「ああ」

「疑わないの?」

「ああ」

「どうして?」

「死ねばそれが運命だからな・・・

だからいつ死んでもいいように、悔いのないように生きてきたつもりだ・・・」

「本当に?」

「ああ」


彼女とそんな会話が続く・・・


「君って、変わってるね」

「よく、言われるよ・・・」


なぜだろう・・・彼女と話していると、心が安らぐ・・・

だが、ひとつの疑問が頭をよぎる。

それを、彼女に訊いてみた。


「もし、僕が死んだのなら、どうして寝たままなんだ?

魂とかが抜かれるんじゃ・・」

彼女は、一呼吸おいて答えた。

「それは、死んだ人、つまり君ね・・・

君の最後の願いを叶えるためよ・・・」


(「死神が死者の最後の願いを叶えるというのは、

その手の漫画とかでは聞くが、実際にあるんだな・・・)」


彼女は続けた。

「ねえ、君の最後の願いは?それを叶えないと霊界にはつれていけないわ」

僕は、即答した。

「なにもないよ」

その答えに彼女は驚いた表情を見せる。

「本当に?」

「さっきも言ったろ・・・悔いのないように生きてきたって・・・」


でも、これは強がりだ・・・

家族との仲も悪いし、友達も彼女もいない・・・

それが願いと言えば願いだろう・・・)

でも、それを悔いた事はないというのは本当だ・・・


「わかったわ。私が君の願いを叶えてあげる。」

(この子は、人の心が読めるのか?)

「私が、君の友達であり、彼女であり、そして、家族になってあげる・・・

いえ、これは私からの願いでもあるわね・・・」


僕は茫然とするしかなかった・・・

「話している間に、君の人生をみさせてもらった・・・

どうやら本当のようね・・・」


彼女は僕の手を握る。

「いきましょう・・・私たちの世界へ・・・」


その瞬間、僕の魂は体から抜け出した・・・

僕は最後の疑問を彼女に訊いた・・・


「僕の名前は知っていると思う・・・君の名前は?」

「私・・・私の名前は・・・」

彼女の名前を聞いた瞬間、安らぎを感じた・・・


霊界で転生の希望を、訪ねられた時、僕は拒否をした。

彼女といることを望んだ・・・


そう、永遠に・・・

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このままの時を・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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