4. 白昼夢
目を覚ますと、そこは古い古い、石造りの部屋に置かれたベッドだった。朽ちかけた長椅子やテーブル、色褪せた敷物やカーテン。人の気配が絶えて久しい様子が見て取れる。やや大きめの窓からは、城の庭や広場の跡を見渡すことができる。日はいつの間にか真上まで昇って来ていた。
サイドテーブルには、黄ばんだ茶器や朽ちかけた羊皮紙などが埃をかぶっている。つい先ほどまで居たはずの少女を探すも、ガランとして薄暗い部屋には少年の他に誰も居ない。狐につままれたような表情を浮かべた少年は、やがて空っぽの部屋を後にしたのだった。
【背景シナリオ】山のあなたにも花は咲く-学術パートにつづく
【背景シナリオ】山のあなたにも花は咲く-プロローグ- 一譲 計 @HakaruIchijo
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