第34話 ガエル町.2
武器屋には武器が並んでいる
壁には笑える値段の派手な装飾の魔法の武器が並ぶ
棚には強そうな武器が並ぶ、ピッカピカでカッコイイ
でも高いので中古のセールを探す
樽に無造作に入れられた数々の武器
興味を引くようなものは無く、店内を眺めて終わる
気分も上がらない
防具屋には防具が並んでいる
カウンターの傍らに赤いワンピースを着た逞しい僧帽筋が立ってた
カウンターの男性と楽し気に話すタニアさんである
「あら、マサト君いらっしゃい」
「ミリアちゃんとアイリちゃんもお久しぶり」
こちらに気が付いたようでタニアさんは頬に手を当てながら声を掛けてくる
「久しぶりです、出張ですか?」
「お久しぶりです」
「タニアさん、久しぶりです」
ミリアちゃんとアイリちゃんもペコリと挨拶です
「ええ、いい子が入ったら事業の拡大よ」
「ミリアちゃんとアイリちゃんに紹介されたと言っていたわよ」
「アーキン君ていうんだけど、アフロの」
タニアさんの目がキラキラしている
「あーボンバーアフロのおにいちゃんですね」
「弟子入りするとか言ってました」
「タニアさんとサーニャさんの事を大絶賛してくれたんですよ」
ミリアちゃんに笑顔が戻る
「クオリティが高いと言ってたです」
アイリちゃんも笑顔になってくれます
「ありがとう」
「彼いいわよ、手がセクシーなのよ」
「すぐにでも支店を任せられる逸材よ」
タニアさんもニッコニコである
「それとドレスーマーの宣伝ありがとうね」
「もう注文が殺到して凄いのよ」
「猫の手も借りたいくらいよ」
タニアさんは笑いが止まらないようである
「それで今回はここの防具屋を支店にする契約で来ているの」
「終わったらお昼を御一緒しましょ」
「あちらの水色の髪の女性と幼げな少女の事が気になるわ」
「じゃっ後でね」
店の奥からサーニャさんに呼ばれれるタニアさん
「ミリアちゃん、アイリちゃんも後でね」
投げキッスをして奥に入っていくタニアさん
雑貨屋と道具屋に見に行くが何かを買う気分になれない
洋服屋に鞄屋に靴屋とまわるが女の子達も気乗りしないようだ
中央市場でブラブラとして川傍でベンチに座って休むとする
市場から怒鳴り声が聞こえてきた
見に行くと少年を蹴る冒険者風の4人組が人だかりの中央にいた
着ぐるみ系狼人族の4人組である
蹴られた少年は腹を抑えてうずくまっている
周りに果物が散乱している
「このガキが、いてーじゃーねーか」
「ケガでもしたらどうしてくれんだ?」
「治療費、払えんのか?」
ポケットに手を突っ込んで顎をしゃくりながら少年を蹴る、もはやチンピラである
仲間の3人もニヤニヤしている
「誰か、自警団呼びに行ってくださいー」
「急いでー」
「少年がチンピラに殺されますー」
大きな声をあげる、これでチンピラがどっか行ってくれる事を願います
「誰だ?馬鹿か?孤児院のガキなんて自警団が助ける訳ないだろ」
「なんだ?この町のルールを知らない馬鹿が紛れ込んでるのか?」
少年を蹴りながらギャハッハッと笑っている
人の波が動いて俺達の周りから人が離れる
ミリアちゃんが俺を見ている、唇を強く結んでいる
アイリちゃんはしょぼーんとしている、耳を伏せて下を向いている
アリサさんが前に出る
「ルールなんて知らないわよ」
「少年を蹴っていいルールなんて聞いたことないわ」
「周りで見ているあんた達もなんとも思わないの?」
「おかしいんじゃないの?」
ドーンでバーンである
「うるせえよババアが」
「ババアには用はねーからあっち行ってろよ」
「縁側で茶でもすすってろ、ババアが」
チンピラがアリサさんを睨みながら近づいてくる
アリサさんが鬼の形相に変わる、何か呪文をブツブツと唱え始める
はあ、めんどくさい
アリサさんの前に出てチンピラの前に立つとします
「なんだてめーは?」
「さっき自警団呼べとか言ってた奴か?」
「自分でなにも出来ねーゴミがしゃしゃり出てくんじゃねーよ」
「殺すぞ」
俺の顔の傍まで顔を近づけてメンチを切ってきます
「顔が気持ち悪いので離れてもらえないかな?」
「唾も飛んで汚いし」
「あっ?何だと?もっぺん言ってみろやコラッ」
俺の襟首を掴もうと手を伸ばす
伸ばしてきた手を払う
「てめぇっ、この」
腰の剣に手を掛けて抜く
チンピラAに風魔法のフライを発動、川に投げ込む
「えっ?なに?何だ?あーれー」
すっとんきょーな声を出して飛んでいくチンピラA
「てめえ、この」
「兄貴をよくも」
腰の剣に手を掛けるチンピラBCD
ミリアちゃんが俺の前に出る
アリサさんも杖を構えて俺の横に並ぶ
「友達を助けに行かなくていいの?」
「海まで流されるよ」
引くように促す
「くそ、覚えていろよ」
テンプレを残して走り去るチンピラBCD
野次馬は何事もなかったように解散していく
ミリアちゃんが少年を起しアリサさんが治療魔法を使う
おれは落ちている果物を拾う、アイリちゃんは拳を握り下を向いたままである
少年と中央広場の教会の裏の敷地に入る
治療院の横に小屋がある、そこに少年少女が15人ほどいた
修道女が子供たちの世話をしている、勉強を見ているようである
「どうされました?」
修道女が少年と俺達を見て声を掛けてくる
「この子が暴力を振るわれていたの」
アリサさんが答える
「それはそれは、助けていただいてありがとうございます」
修道女は俺達を見渡して、アイリちゃんをみて目を背けた気がする
「みなさん、こちらにどうぞ」
小屋を出て台所に案内される
「町には孤児をよく思わない人達も居ますので、たまにあるんです」
「この町は海を越えたダートモール王国との前線となりますので孤児が多いのです」
「能力の見込まれた子は領主様の施設に入れますが、入れない子も居まして」
「こうして教会で預かっている次第なのです」
修道女が説明してくれる
「領主も教会も人の子だけですか?」
素朴な疑問を聞いてみる
「獣の子は」
「獣人族の子供達はチャールズ司祭が面倒を見ていらっしゃるようです」
「ご自分の教区に帰らず、聖都に逆らい続けてもう20年になるのかしら?」
「先代の司祭様の作られた孤児院を今でも守っていらっしゃるようです」
アイリちゃんの方をチラリとみる
アイリちゃんが居心地が悪いようなので教会を出ることににする
「人間の子は」アイリちゃんが何か言い掛けたようだが、また黙り込む
お昼に防具屋でタニアさんとサーニャさんと合流して食事を取る
ガエルの町はタラとタマネギと塩と小麦が特産であるとアリサさんが言っていた
アリサさんチェックのレストランに入りタラと野菜のトマトソースのパスタをいただく
食後のお茶を飲みながらタニアさんとサーニャさんに2つの孤児院の話をする
もちろんアイリちゃんがトイレに行っている隙にである
「そうね人間の子は領主の兵や領民の子ですものね」
「教会も人の子は保護するから」
「獣人族の孤児の子はもしかしたら傭兵団の子供達なんじゃないかしら?」
「そうね、獣人族は冒険者になるより傭兵になる方が多いから」
「でも、その司祭様は素晴らしい人ね」
「ホント、素晴らしい人ね」
タニアさんとサーニャさんが教えてくれる
「つまらない話してすいません」
「いいのよ、アイリちゃんの事ですもの」
「そうよ、わたし達は仲間じゃない」
「そうよ、わたし達は同じマサト君のハーレムのメスじゃない」
「ねー」
やっぱり赤青ワンピーズは相変わらずであった
レストランでおしゃべりの後は移動して今度はサロンでおしゃべりである
フォンダンショコラにタルトタタンにクグロフキャラメリゼにパリブレスト
モンブランにオランジェットにマカロンにフィナンシェにフロランタンである
レッドフルーツにオレンジの花にナツメヤシにルバーブに木イチゴにオレンジピール
紅茶にブルーベリーにフランボワーズにイチゴにサクランボの茶葉のブレンド
食べてはしゃべって、飲んではしゃべる
付き合いきれないので1人で外に出る
川傍のベンチに座ってるとチンピラ4人組がやってくる
「てめえ、見つけたぞ」
「よくもやりやがったな」
「ただじゃおかねえ」
チンピラAが腕をまくってやってくる、わかりやすい
「もしかして君らはこの町のチャールズ司祭の孤児院の出なの?」
「アイリが行ったのか?」
チンピラAが聞いてくる
「いや、何も聞いていないけど」
「もしかしてアイリを知ってるの?」
「俺達は家族のニオイを忘れねえ」
「絶対にだ」
チンピラBCDも大きくうなずく
「そうか、それで教会の孤児院の子に嫌がらせを?」
「領主も教会も俺達の事はゴミ扱いだ」
「同じ敵と戦っているのに獣人の子は何故保護されない?」
「獣人の子だからか?」
「獣人は汚らしくて保護したくないからか?」
「それとも、傭兵の子だからか?」
「使い捨ての駒の子供は保護に値しないってのか?」
「くそっ」
「ここじゃ獣人は傭兵か冒険者になるしかねぇんだ」
「戦えない奴は娼婦か好事家の奴隷だ」
「チッ」
「つまんねえ話させやがって」
「もういいや」
「しかしよ」
「あのどんくさいアイリが冒険者とはな」
「ありがとよ」
チンピラ4人組は引き上げて行く
何も言えない、言葉がない
しばらく川を見てからサロンに戻るとする
サロンに戻るとまだ彼女らは話をしていた
アイリちゃんも元気が出たのか笑顔である
流石はタニアさんとサーニャさんである
「マサト様、聞いてください」
「タニアさんとサーニャさんが孤児院を助けてくれるんです」
アイリちゃんが嬉しそうである
「安請け合いして大丈夫なんです?」
タニアさんとサーニャさんをみる
「そうね、マサト君への報酬の支払いが遅れることにはなるわね」
タニアさんがため息を付く
「それは、構わないですが」
「どうやって助けるつもりなんです?」
「当然”タニアとサーニャのラブリーカンパニー”で働いてもらうのよ」
「材料の仕入れから加工、防具の作成に流通と販売」
「やることは幾らでもあるわ」
「アリサちゃんも協力してくれると言ってくれてるし」
「何とかなると思うわ」
まったく、頼りになる赤青ワンピーズである
「そうですか、俺も出来る限り協力しますよ」
「そうね、また何か思いついたら教えて欲しいわ」
タニアさんが言う
「そういわれても、なかなか」
「思いついたらでいいのよ、どんなことでもいいのよ」
「そうそう、何が受けるかなんてわからないものね」
赤青ワンピーズがニッコリ笑う
「りょうかいです」
タニアさんとサーニャさんは商人ギルドの偉い人と夕食との事で別れる
俺達はアリサさんチェックのお店で夕食である
タラとタマネギのポトフにタラとタマネギのマリネにタラとホタテと野菜のパイシチュー
タラとタマネギのバターソテーにそら豆のタラといものサラダのタラである
ワインで美味しくいただくとする
しかし、女の子達はよく食べるのである
宿に戻って浴場に向かう
体を洗い湯船に浸かる、マッタリとする
部屋に戻りベランダで火照った体を冷やす、極楽である
しばらくしてからベットで待っている3人のもとに行くとする
今日は3人でアイリちゃんにご奉仕することにする、ピクピクしてグッタリである
次はアリサさんにミリアちゃんと2人で教育であるビクンビクンと痙攣しながら横たわる
最後はミリアちゃんである、んーっとなってキュンキュンして甘い息を吐いて眠る
俺はミリアちゃんを抱きしめながら眠る
朝はアイリちゃんに起こしてもらう
左手はモニュポヨンでモニュポヨン掛布団をどかして起きる
浴室に向かい風呂に入る
風呂から出て部屋に入ると朝食が用意されている
朝食を食べながら今日の予定を考えているとアリサさんが浴場から戻ってきた
「今日の予定は何かしら}
アリサさんはオレンジを食べながら話す
「教会でお祈りの後は冒険者ギルドを見てから港を回ってお昼ですかね」
「ミリアちゃんとアイリちゃんとモニカちゃんは何処に行きたい?」
「あとはアリサさんに任せますよ」
お茶をすすりながら話す
「わたしは武具屋に、タニアさんとサーニャさんに会いに行きたいです」
モニカちゃんが恐る恐る手をあげる
「あたしは妹と弟の所に行きたいです」
アイリちゃんがもおずおずと手をあげる
「それじゃあ、その2つも回ろうか」
アイリさんの方を見る
「いや、大丈夫です1人で行けます」
モニカちゃんが言います
「私も1人で大丈夫です」
アイリちゃんも言います
「りょうかい」
「そんなに気にしないでも、別行動でもいいんだよ」
ミリアちゃんを見る
「わたしはモニカちゃんと防具屋に行きます」
ミリアちゃんはモニカちゃんに向かってニッコリです
「では、俺とアリサさんでデートだね」
「よろしく」
アリサさんを見る
「まかせてね」
アリサさんは赤い顔でモジモジと呟く
支度を終えたらみんなで教会に向かう
石の塔づくりの4階建て相当の教会、四角い鐘楼には鐘が2つ付いている
教会には治療院が併設されている、その裏には孤児院もある
入り口は広くとられており開け放たれている
入り口の上にはイスタリア教のシンボルが掲げられている
礼拝堂は広く長椅子が3列並べられておりこの町での教会の影響力を忍ばせる
聖堂には司祭が2人程いて信者と何やら話をしている
礼拝堂には多くの人が祈りを捧げている
俺以外の4人は長椅子に座り神に祈りを捧げている
治療院や孤児院の方を眺めていると悪党顔の男もチラホラ見かける
そりゃ、世の中には悪党顔の信心深い人が居ても良いとは思うが
見かけた以上は何かが有るんだろうなと考える
教会を出て、アイリちゃんとミリアちゃんとモニカちゃんを見送る
「ノア」
アイリちゃんが教会を振り返り呟く
「アイリ、どうしたの?」
アイリちゃんに聞いてみる
「いま、ノアが…妹が居た気がして」
アイリちゃんがクンクンしている
「やっぱりいます、ではいってきます」
笑顔でアイリちゃんは教会に向かって走って行く
「んー、アリサさんちょっと」
アリサさんに寄り道を告げる
アイリちゃんを追っかけて教会内を移動する
アイリちゃんはパタタタタと礼拝堂の奥に行くので追いかける
アイリちゃんはパタタタタと治療院の奥に行くので追いかける
アイリちゃんはパタタタタと孤児院の奥に行くので追いかける
アイリちゃんはパタタタタと台所の奥に行くので追いかける
アイリちゃんはパタタタタと台所から出て教会の裏に行く
教会の裏の霊安室に降りる階段から黒猫人族のノアちゃんが出てくる
アイリちゃんを見つけるとノアちゃんは走り出す、追うアイリちゃん
15メートルも逃げないうちに捕まるノアちゃん
アイリちゃんと何か話をしている
アイリちゃんがこちらに歩いてくる
「大丈夫だった?」
アイリちゃんに聞いてみる
「はい、忘れ物を取りに来ただけのようです」
ノアちゃんにメッっと怒こるアイリおねえちゃんです
ノアちゃんは手に飾り紐を握っていた
教会の前でアイリちゃんとノアちゃんとわかれる
俺とアリサさんは冒険者ギルドに向かうとする
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