第26話 アングレーム街道.1
お昼を取りながら王都に向かう話をする
ノーマさんお店の後に新しいパスタ屋がオープンしていた
キノコのクリームパスタを注文する、美味しいのだがノーマさんほどではない
俺の口元にクリームが付いていると指で拭き取り舐めるアリサさん…なんかウザい
移動手段であるが護衛依頼を待つか商人の乗合馬車を待つかと話をする
駅馬車は懲りた
「馬車なら私が乗ってきたのが有るわよ?」
紅茶のカップを静かに置きながら話す
「来るときに冒険者の護衛を雇って乗ってきたの」
「御者もやって貰ったから御者はいないけど」
「いい馬車よ、学園の馬車ですもの」
ニッコリ微笑む、ルイーズさんの姉妹であるホントそっくりである
「馬車は誰か操れる?」
まわりを見る
「自信は無いですが、1頭立ての荷馬車は教会の手伝いで乗りました」
自信無さげに手をあげるアイリちゃん
「馬車は2頭立てなの、ごめんなさい」
アリサさんはアイリちゃんを抱きしめる
「御者は募集しよう」
あわよくば習えばいいと思う
昼食も終わり馬車を見に行こうかと考える
ミリアちゃんとアイリちゃんは冒険者ギルドに依頼を出しに行くと別れた
待ち合わせ場所を決めようと言ったが、アイリちゃんがいるから大丈夫と言われた
2人を冒険者ギルドに送り出して馬車を預けている馬屋に向かう
2人が居なくなるとアリサさんは急にしおらしくなりモジモジしだす…なんかウザい
馬屋は南門の近くにあり倉庫にしまわれていた
木造のキャビンは6人乗りになっており御者台も高い位置にある
作りは豪華になっており、バネ板もふんだんに使われシートもふっかふかである
4人ならば快適な旅ができると思う
しかしキャビンの中は荷物が散乱していた…この女、片付けられない女である
「あの、出発されますか?」
声を掛けられて振り向く
10歳か11歳かそれくらいの少女が倉庫の入り口にいた
「そうよ、数日の間に王都に戻るわ」
アリサさんが代わって答える
「あの、御者居ないですよね?雇ってくれませんか?」
「私がこの馬車を担当して馬の世話もしました」
「だから…お願いします」
少女が深々と頭を下げてのお願いです
「どうしましょ?」
アリサさんが振り返り俺を見る
黒い髪を横で一本おさげにした青い瞳の女の子
黒ずんだ麻のブラウスに埃っぽいワンピースに大きめの革の靴
「君はここの従業員じゃないの?」
「行くのは良くても帰りはどうするの?」
「長期になるから両親が心配するよ?」
孤児なのかな?
「この馬車のお世話で一時的に雇ってもらっています」
「もう、戻って来るつもりはありません」
「母はいません、父は約束の日になってもダンジョンから戻りませんでした」
「月に一度帰ってくると約束していましたが、今月は戻ってきませんでした」
泣いていない、悲しんでいないわけではないのだろう
まさか
「父親の名前を聞いても?」
この流れで来るのかと
「はい、アレクサンドルといいます」
「私の名前はモニカといいます」
強い意志で真っ直ぐこちらを見る
アリサさんはこちらを見ながら爆涙している
「そうですか、わかりました」
「アレクサンドルさんには世話になりました」
「あなたを雇います」
さて、何処まで話していいのやら
ブラブラと魔法屋で物色する
目新しいものが無かったので出ようかと外に足を向ける
「マサト君はなぜ杖を持たないの?」
アリサさんが杖を物色している
「邪魔だし必要ないかなと思って」
「邪魔って…杖は重要なのよ」
「魔術師のステータスを表すのよ」
「無いと馬鹿にされるわよ?」
「はいこれ、持ってて」
杖を手渡される
漆黒の杖には水晶がハメ込まれており水晶の中には4色の光と紋章が刻まれている
これは高いだろうと
「こんな大それた物いりませんよ、高そうだし」
「いいの、持っていて欲しいの」
「私の気持ちだから、もしいらなければ売ってもいいのよ」
「だからお願い、受け取って欲しいの」
重いわ、この女は駄目なタイプだ
「では、遠慮なく」
でも、鞄にしまう
「うん」
顔を赤らめてシナを作っている
魔法屋を出た所でミリアちゃんとアイリちゃんと合流する
馬屋での話をして依頼のキャンセルをお願いする…ごめんねごめんね
道具屋も見に行く
新しい魔導具も無くテンションが上がらない
アリサさんがおっぱいを押し付けながら腕を組んでくる
オプションなのか魔導具の説明もしてくれる…まったく便利な女である
次は雑貨屋で物色する、旅の道具と調理道具なども仕入れる
雑貨屋での支払いもアリサさんがしてくれる…男をダメにするダメ女である
ミリアちゃんとアイリちゃんと合流して古着屋に向かう
せっかくだからみんなの服を木綿の製品にバージョンアップさせてもらう
女の子の下着は絹に進化する
ここまでやれば都合のいい女の自覚が芽生えてきたのか支払いを渋り始める
それならミリアちゃんに買ってもらうと言ったら払うと言い出した…言葉もない
次は武器屋である
ドワーフのおっさんに声を掛ける
「おう、できてっぞ」
「片手剣ほれ、振ってみろ」
「ふん、切っ先が重えな貸して見ろ」
「ほれ、振ってみろ」
「よし良いだろう」
トンテンカンコントンテンカンコンっと
「次は槍だ持ってみろ」
「ふむ、振ってみろ」
「ふむ、回して見ろ」
「手前で持ってみろ」
「奥で持ってみろ」
「よし貸して見ろ」
「ほれ振ってみろ」
「ほれ、回して見ろ」
「手前で持って見ろ」
「奥で持ってみろ」
「よし良いだろう」
トンテンカンコントンテンカンコンっと
「ほれ、お前の弓も貸して見ろ」
「引いてみろ」
「貸して見ろ」
「引いてみろ」
「よし良いだろう」
トンテンカンコントンテンカンコンっと
「まいどっ」
「お前らもっと鍛えろよ」
力こぶに見送られて店を出る
お店の外にでて道の外れでミリアちゃんは軽く片手剣を振るう
片手剣の柄頭が前より大きくなっており新しく細工も入っていると言っていた
握りも丁度良く軽く手首を動かすだけで切っ先が反応すると満足ている
アイリちゃんも握りやすく軽く感じると言ってる
太刀打ちが銀色に変わっており細工も施されている柄も材質が変わっている?
よく見ると穂先以外は別物に変えてあるようだ
武器屋に戻ってドワーフのおっさんに聞く
「外で良く見たら払った額以上の出来なんですが?」
「追加料金は幾らです?」
「ん?いらねえいらねえ」
「刃先見てたら気になっちまってな」
「余計なお世話をしちまった」
「気が済まねえなら酒でも差し入れてくれ」
「武器に負けねえように精進しろと言っとけよ」
「ありがとうです」
礼を言って外に出る、そのうちにでもどっかでいい酒を仕入れないと
防具屋のボンバーアフロのにいちゃんに声を掛ける
「おうあんたらか待っていたぜ」
「あとは締めるだけだこっちにきてくれ」
ミリアちゃんにドレスアーマーを着せて腰から締めて胸元首に肩腕に手と
ヘルムをかぶせて頭の形に耳に頬に首に顎に
脚脛の締めに足の締めスカート部を適度に広がらせて動きをみる
全体をもう一度締めなおしてバランスをとる
次にアイリちゃんとテキパキと手も体も動きまくる
「はい、おしまい」
「おれは、当分店を開けるんで明日から別の奴がカウンターに入る」
「あんたらに教えてもらった防具屋に弟子入りさせてもらうつもりだ」
「次に会うときは俺の作ったドレスアーマーを買ってくれよな」
陽気に手を振り見送ってくれる
ボンバーにいちゃんをタニアさんとサーニャさんにあわせて大丈夫かな
まあ、いいか
宿屋に戻り荷物を整理しながら4人で旅行の話をする
宿と食堂以外の食事は何処で食べるのかアリサさんに聞いてみた
アリサさんがそれならこれから食べに行こうと言い出す
しかし服がないのでちょっといい位の店に入る
ポトフにカモ肉のコンフィにシュークルート、バケットにパテを乗せて食べる
ワインも開けてみんなで舌鼓を打つ
明日は礼服を作りに行こうとアリサさんがノリノリである
宿に帰って食事の余韻を楽しんで敷布団の上でゴロゴロする
アリサさんが酔ってにじり寄ってくる
俺の下着を剥いでくわえる、髪をかき上げながら美味しそうにしゃぶる
とてもとても大きく柔らかいおっぱいで挟んでもぎゅもぎゅして舐り含む
ふぅ…スッキリする
アリサさんは深く含む何度も何度も吸い嬉しそうに飲み込む
自己調教済みかと…驚くわ
唖然としているミリアちゃんとアイリちゃんを呼んで3人でアリサさんを責める
アリサさんは身体を痙攣させて恍惚の表情を浮かべて横たわる
次はミリアちゃん、甘い息を吐きながら満足げに眠りにつく
最後にアイリちゃん、喘ぎ疲れて俺の胸の中で眠る
翌日からはアリサさんの案内で美味い物めぐりと観光である
観光という程のモノは無いのだが、普段行けない所を散策する
冒険者は居住地に入ってはいけないのである、治安の関係である
一般の商業区にも入ってはいけないのである、治安と服装で断られる
とはいっても相当ガラが悪くなければフリーパスなんだが
しかし高級店には入れない冒険者ランクが高くないと断られる、服装も決められている
しかしアリサさんは魔法学園に研究室を持つ教授様である
一緒なら何処でも行けるのである、しかし服装は引っかかるので買いに行く
ミリアちゃんの胸を納められる服が売ってないのでアリサさんのドレスを仕立て直す
おっぱいの大きさは同じくらいだが、アリサさんの方が背も高く尻もデカい
俺とアイリちゃんは既製服で間に合うので既製服を仕立て直す
朝に作りに言って夜には受け取れる手はずである
都合のいい女、アリサさん万歳である
昼は散策に休憩にカフェに入り昼食を取りまた散策、そしてカフェと
アリサさんのリサーチしてある場所を周りまくる
最初はなんでこんなデートコースの様な場所にやけに詳しいのか疑問に思った
しかし…聞かない事にした
付箋の飛び出している使い古されたビジネス手帳を見ると涙が零れてきそうである
少しは優しくしてあげようと思う
夜は礼服に着飾り高級店で食事をする、ワインも飲みいい気分である
そして酔ってにじり寄ってくるアリサさん、3人に責められて恍惚の表情で眠る
ミリアちゃんとアイリちゃんとイチャイチャして俺もまた眠りにつく
朝はアイリちゃんに起こされる
左手はお約束のモニュポヨン、もはやアリサさんは俺のモニュポヨン掛布団である
そしていつもの様に恥ずかしそうに前髪で顔を隠しながらコソコソと支度をする
食事をして風呂に入って洗濯して教会行って朝市で買い物して
馬屋に行って馬車で町を出る
アングレーム街道
2頭立ての木造キャビンの馬車に乗り、アングレーム街道を進む
キャビンは揺れも柔らかく快適な方であるが揺れないわけではない
車のサスペンションになれている現代人にはやはりキツイ
高い位置の御者台にモニカちゃんとアイリちゃんが座っている
モニカちゃんにはアレクサンドルさんが死んでいると既に伝えている
父親の死を聞いたモニカちゃんは「そうですか」とだけ答えた
街道を進む馬車、田園風景が流れて行く
手帳を開き何やら書き込んでいるアリサさん、俺とミリアちゃんは針仕事をする
御者台からアイリちゃんとモニカちゃんの楽し気な話声が聞こえる
カラカラカラカラ音を鳴らして馬車は進んでいく
お昼の休憩で空き地に止まる
魔導コンロで肉を焼いて野菜とライ麦パンで挟んで5人で食べる
お湯を沸かしてやかんで煮出し茶を作り飲む
もひとつ湯を沸かして水桶に取りモニカちゃんの体をアイリちゃんが拭く
「指輪?ペンダント?」
アイリちゃんの声がする
「母の形見なんです、指に大きくて父が首飾りにしてくれて」
「そうなんだ、大事な物なんだね」
「はい」
布の仕切りの向こうの、2人の会話が耳に入る
その間に馬車で準備していたアイリちゃんのお下がりの麻の服の仕立てを完成させる
とはいえ…針と糸で生地を詰めただけだけどね
体の汚れも拭き取られて下着も服も新しくなってピカピカです…お下がりだけど
靴下も靴もアイリちゃんのを履かせてあげる
「ありがとうございます」
「雇っていただいて、さらにこんなに良くしてもらって」
「この恩は絶対に忘れません」
深々と頭を下げるモニカちゃん
10歳でこれだけしっかりしてるってアレクサンドさん、どんだけダメおやじだったのかと
モニカちゃんはテキパキ働いていた、馬に飼料と水を与えてマッサージをしている
それが終わると馬車に異常が無いか確認している
昼食の休憩も終わり
カラカラカラカラ音を鳴らして馬車は進んでいく
途中でおやつ休憩をとってから野営のできそうな場所に止まる
街道から少し外れて川に近い場所に馬車を止める
防雨シートを張り、防水シートを敷く
モニカちゃんは馬の世話と馬車のメンテナンスに動き回る
俺はかまどを作り魔導コンロから薪に火を点ける
ミリアちゃんんとお料理に挑戦である、俺もミリアちゃんも料理の初心者である
家庭科の授業レベル程度なのである
野菜を切って水桶に放り込む
鍋を火にかけてバターを溶かしてからベーコンを炒める
タマネギ、ニンジン、キャベツ、ジャガイモ、も放り込み、炒める
水を入れて沸騰したら灰汁を取り、その後火から下ろす
塩コショウを入れて味を見るが…旨味が無い
素朴な味である、ただのベーコンの野菜のスープである
出汁が足りないんだなきっと、スープの元が欲しいと思う
しかし、出汁なんか旅の途中で作れるはずもなく今後の課題とする
異世界の生活は課題が多い、風呂にトイレに食事に移動などなどである
食事の準備をしているとアリサさんとアイリちゃんが魚を持ってきた
「あら、料理できるの?」
魚を受け取り時間停止のポーチにしまう
「いや、切って炒めて煮ただけですね…料理とは言わないです」
「出汁とか買えないものですかね?」
記憶を頼りに練習するか、コックを仲間にするべきか悩む
「さーどうかしら、私は料理しないからわからないわ」
「私は旅の食事は諦めて、その分町で贅沢するつもりよ」
「でも、旅を続けるなら作れる人がいるといいわね」
作ったスープを味見する「普通ね」と呟く
みんなにベーコン野菜スープとライ麦パンを配って食事を食べる
自分で味の調整ができるように香辛料と調味料も並べる、果物も置いておく
パンもバリエーションが欲しいなと思う
アイリちゃんはパンに蜂蜜を塗って嬉しそうに頬張る
モニカちゃんにも勧めている
夜は野営が必要である、これも何とかならないのかと考える
ここで考えたのがクリエイトゴーレムである
アリサさんに聞くとゴーレムは土魔法の中級から作れる
しかし、熟練者が作るゴーレムでもデキは半人前で有ると言われる
半人前は怖いで一人前のゴーレムを作ろうと考える、材料は足元の土で良いか
身長1メートルほどのランクEゴーレムを3体作成して火の番と警備に当たらせる
「ホント、マサト君は何でも出来るのね」
「色々と教えて欲しいわ」
「戻ったら研究に付き合ってね」
ニッコリと微笑む
「出来る範囲で」
「マサトさんは魔法使いですからね」
「マサト様は魔法使いなんです」
ミリアちゃんとアイリちゃんが嬉しそうに笑う
「何それ?面白そうね教えて」
アリサさんが興味を持ち俺の話で盛り上がる…本人の前で話すのは止めて欲しい
夜はモニカちゃんが居るので残念だが何もなしである
ミリアちゃんはモニカちゃんを抱いて寝ている
俺もアイリちゃんを抱いて眠る
背後からアリサさんが抱きしめてきておっぱいを押し付けてくる
モニカちゃんが居るからダメだと伝える
寂しそうな顔をして背を向けるアリサさん
声を押し殺して寂しそうに1人で体をくねらせている
仕方がない、教育の為にアリサさんの手を引いて林に連れて行く
尻をひっぱたき、後ろから責め立てる…このダメ女めと
満足した顔で眠るアリサさんを背にアイリちゃんを抱き枕に寝るとする
俺もスッキリである
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