第9話 ブレオテ町.5
冒険者ギルドの並びにある武器屋
武器屋には武器が並んでいる…当然なのだが
「スゥーパァーセール」と書かれた樽に向かう
樽の中には中古の剣や槍や斧などが入っている
樽の中に有る槍を手に取る、長さは180センチ程の短槍である
30センチほどの穂先が幅広両刃直剣型で持ち手は木製である
他に槍は樽に入っていなかったので一択である
槍の長さを150センチ程のアイリちゃんの身長と同じになる様に調節を依頼する
研ぎと穂先の鞘も注文する
向かいの古着屋に居る旨を告げてお金を払う
武器屋の向かいの古着屋で物色する
女性用の旅の服と下着と靴下を2つずつと厚地の毛布を2つそれと靴を買う
さらに、小さいバックパックを1つとポーチを2つ購入する
店の外に出て壁際でバックパックの口をを広げる
バックパックにポーチ1つと女性用の旅の服と下着と靴下を2つずつと毛布を1つ入れる
残りは黄色いポーチの中の青いポーチに入れる
アイリちゃんに渡しながら説明する
「中にポーチと服と下着と靴下と毛布が入っているので、使ってね」
「あ、ありがとうございます」
「お預かりします」
戸惑ってから答える
「使ってね」
念を押す
「はい、わかりました」
バックパックで顔を隠して、ちょっと嬉しそうに受け取る
武器屋に戻るとまだ作業は終わっていなかった
アイリちゃんを残して隣の防具屋に向かう
防具屋には防具が並んでいる…当然である
こちらの「スゥーパァーセール」の場所に向かう
装備が乱雑に放り込まれた木箱が幾つか壁の隅に並べられている
木箱の前にしゃがみ込んで物色を開始する
うーむ…胴と脚防具で良さげなモノがない
オーダーでやるしかないのか
悩みながら部位防具の場所に向かう
胴と脚か、女の子なんだからスカートかエプロンが定番だよな
この世界にはないのか…ビキニアーマーは有るのに
オーダーしかないのかな
「マサト様、お待たせしました」
アイリちゃんが槍を持ってきた
槍はアイリちゃんの身長よりほんの少しだけ長めだった
調整のために切ったであろう石突きには金属の加工もされていた
「うん」
アイリちゃんを上から下まで眺める
洋服の上からエプロンの様に身に着けられるワンピース防具がいいな
足元を見てアイリちゃんがサンダルだったことを思い出す
靴は買ったが足の防具も買っておくことにする
足防具で薄い鉄の補強の入った足首まで隠す紐で編み上げの革のブーツを手に取る
さらに同じ色合いの革の手袋も探す
カウンターで他のお客とおしゃべりをしている店員に声を掛ける
「すいません」
「はい、いらっしゃい」
胸元まで掛かる濃い金髪を外巻きにカールした睫毛が長い濃い青い瞳の男の人
濃い目の赤いワンピースの大きく空いた胸元から大胸筋が盛り上がっていた
「手袋と靴の調整と胴防具のオーダーを頼みたくて」
「はい、大丈夫よ」
頭の上から足の先までゆっくりと眺められる
「予算はどれくらいかしら?」
「いや、この子なんだけど」
「あらそうなの?」
アイリちゃんを眺める
「予算は話の後で教えてください」
「服の上からエプロンや前掛けの様に身に着けられるワンピースドレスの様な防具」
「そんな感じの防具を作ってもらいたいんですが、可能ですか?」
「あら、おもしろいわね」
お隣の濃い青のワンピースを着ている男の人が食いつく
茶色の瞳、ブルネットの髪のストレートロングヘヤーの細身系オネエサマである
赤いワンピースの人に比べて細身なだけで、俺より背も高く腕は太い
「確かに、発想は面白いわね」
赤いワンピースの店員が顎に手をおいて唸っている
「そうね、今まで無かったのが不思議なくらいよね」
「防具って可愛くないものね」
「可愛い防具が有ってもいいわよね」
「これなら私も着たいわ」
などと2人で盛り上がってる
「わかったわ、そちらの子はこちらにいらっしゃい…採寸するわ」
青いワンピースの男の人がアイリをカウンターの奥に手招きする
店員だったのかと
アイリから荷物を受け取り、奥へ促す
「材質ですがリネンか革で、補強は樹脂や薄い金属で考えてますが…いくらほどに?」
残っている赤いワンピースの店員に聞いてみる
「そうね…初めての試みだし…手始めにリネンで樹脂と薄い金属の補強で試してみましょ」
「金額はそうね…試作だし…金貨15枚かしら?」
「それでお願いします、いつ頃できますか?」
「そうねえ…10日後には用意しておくわ」
「りょうかいです、あと…彼女用に手袋と靴の調整を」
「調整は今日中に出来るわよ、日暮れ前には取りにいらっしゃい」
「ありがとう、全部で幾らに?」
「そうね、うんとサービスして…金貨18枚でいいわよ」
ポーチから金貨18枚渡して、品物を見ながらアイリちゃんを待つ
「お待たせしました」
照れた顔で尻尾をパタパタ振りながらアイリちゃんが帰ってきた
奥に行く前と感じが変わっている?
バックパックと槍を渡すと嬉しそうに受け取る?
防具屋を出て中央広場方向に向かって歩く
「店員さんに何かされた?」
「いえ、何もされていないです…いい人でした」
「お店に入ったが初めてだったので戸惑っていたんですが」
「体も測るのも初めてで、それで色々おしゃべりしてくれて」
「優しくて、丁寧で…初めての経験だらけで」
嬉しそうに尻尾をパタパタ振っている
嬉しそうなアイリちゃんを見ると嬉しくなるので、嬉しい
中央広場を超えて南門側に戻る途中の雑貨屋に入る
南門から武器屋に行く途中に見つけた雑貨屋である
ネズミの雑貨屋で買いたくなかったので探していたのである
こちらの雑貨は生活雑貨が多めである
ネズミが冒険者狙いであるなら、こちらは町の人狙いなのであろう
しかし、冒険者用の品物も扱っていた
「いらっしゃいなのだ」
店内からアイリちゃんより背が低めな、二足歩行のハムスターが出てくる
白と茶の二色のゴールデンハムスター、鼠人族の♂?の着ぐるみ系の獣人である
「なにをお求めなのだ?」
「灯りと…あとは、見て決めようかと」
「りょうかいなのだ、買うときは声を掛けるのだ」
明かりをどうするかと
こちらの人達は夜目が利くのだろうが俺にはやはり暗い
夜の灯りは各家から漏れる灯りか、街道町なので門に有る常夜灯くらいである
なのでずっと灯りを考えているのだが
蜜蝋燭はお高めで、蜜蝋燭のランタンもガラスが使われておりお高めである
獣蝋燭はススが多いのでガラスのランタンには使えない
ガラス無しは風よけが大きく明かりが狭い
やはり室内は獣蝋燭、屋外は松明がベストなのかと
金属の持ち手付き蝋燭皿と松明も3本ほど選ぶ
さらに
歯磨き用の木の枝2本と手鏡にブラシと手拭いを5枚とマグカップ1つを取る
ハム店長に料金を支払う
「毎度ありがとうなのだ」
手拭い5枚と歯磨き用の木の枝2本と手鏡とブラシをアイリちゃんに渡す
「あ、ありがとうございます」
尻尾をパタパタさせて嬉しそうにしている
松明は赤いポーチにそれ以外は青いポーチに入れる
お昼は串焼きで済ませたので、早めの夕食にする
食堂「ねこ×3のにくきゅう亭」
店内のテーブルは3割ほど埋まっており
何組かの冒険者が食事をとりながら会話をしている
テーブルに着くと猫人族の女の子がお盆にマグカップを乗せて持ってやってくる
マグカップを2つテーブルに置く
「いらっしゃいにゃ」
「にゃにゃにゃ?浮気にゃ?」
「いや、キャラバンでその」
「これはお土産です」
お菓子と飴をテーブルに置く
「あーそういう事にゃ、マサトさんも男の人にゃ」
「でも、ミリアの事も忘れてはダメなのにゃ」
「それはそうと、2人は裏口に回ってきて欲しいのにゃ」
「急ぐのにゃ」
エルネちゃんはまわりを見ながらせかしてくる
店内から押し出されて裏に回る
裏庭の井戸の横に木のテーブルと椅子が用意されていた
エルネちゃんはテーブルにマグカップを2つ置く
「店内ではその子と一緒には食べられないにゃ」
「だからここのテーブルを使うにゃ」
「待ってるのにゃ」
「あの…ごめんなさい」
椅子に座るとアイリちゃんがしょんぼりと立ってる
「いや、座って」
「はい」
「よくわからないんだけど、奴隷だからなのかな?」
「わかりませんが、そうだと思います」
しょぼーんで涙目である
「お待たせにゃ」
「ん?マサトにゃん、泣かせちゃダメなのにゃ」
オススメをテーブルに置きながらエルネちゃんは俺を責める
「いや…理由を教えて欲しいです」
困惑である
「なるほど、教えるにゃ」
「奴隷の人は店内で食事がとれないにゃ」
「他のお客さんから苦情が出るし、喧嘩にもなるにゃ」
「なので一緒に食べるなら仕方の無い事なのにゃ」
「なるほど、ありがとう」
定食屋の椅子にペットを座らせているのと同じなのだろうかと
定食屋の店内にペット連れて入ると怒られるよな
などと、納得する
「常識知らずですいません」
「いえいえ、こんな可愛い子なら一緒に食べたくなるのも納得にゃ」
「しかし他のお店でも同じにゃ、絶対に喧嘩になるから気を付けるにゃ」
「でも、商人に教えられなかったにゃ?」
「いえ、何も」
「わたしも奴隷になってすぐにマサト様に買われたので」
「食堂も入ったこともなかったですし」
「ごめんなさい」
しょぼーんで涙目なので、頭を撫でてよしよしする
「大丈夫にゃ、すべての責任はマサトにゃんにあるのにゃ」
「わたしはエルネにゃ、今後ともよろしくにゃ」
「こちらはアイリ、よろしくお願いします」
よしよししながら紹介する
「アイリです、よろしくお願いします」
おずおず会釈をする
「では、ゆっくりしていくのにゃ」
尻尾をふりふり店内に戻っていく
「さあ気にしないで食べよう」
「はい」
しょぼーんでモソモソ食べ始める
食べ終わって何となく話す
「ごめんね、俺…あんまり常識が無いかもしれないんだ」
「いえ…わたしもわからないことが多いです」
「わたし、孤児院育ちでお店とかも表から入ると怒られていたんです」
「でも…マサト様と一緒だと怒られないし、店員さんも優しいし」
「優しくされて嬉しくなって」
「洋服や手鏡やブラシも買ってもらったりして」
「舞い上がってて」
「勘違いしてて」
「ごめんなさい」
くしゃくしゃのボロボロになってしまった
「大丈夫だよ」
椅子を並べて座り、抱き寄せて頭を撫でる
手拭いを出して涙を拭いて、渡す
境遇を憐れむが奴隷から開放する気がない自分の気持ちも複雑である
取りあえず泣き止むまでよしよしを続けるしか思いつかない
気の利いた言葉が浮かばない
しばらくそのままの体制で背中が痛くなってきた辺りでアイリちゃんが胸から離れる
「もう大丈夫です…ありがとうございます」
鼻をグスグスしているけど涙も止まっている
少しスッキリしたかな?
「ん」
新しい手拭いを出して顔を拭いて、渡す
「サービスにゃ」
いいタイミングでエルネちゃんがやってきた
はちみつの甘い香りの飲み物とお土産のお菓子をアイリちゃんの前に置く
「ありがとう、エルネちゃんは優しいなぁ」
「ありがとうございます」
アイリちゃんもお礼を言う
「当然なのにゃ、エルネは優しいのにゃ」
「何でも相談するのにゃ」
「では、ゆっくりしていくにゃ」
お皿を片付けて戻っていく、尻尾がユラユラである
アイラちゃんははちみつ茶?をチビチビ飲みながらお菓子をモソモソ食べていた
食べ終わるまで煮出し茶をすすりながら待つとしよう
夕暮れ近くに防具屋に行く
カウンターには赤いワンピースの男の人、タニアさんが居る
「失礼します、できてますか?」
カウンター下からグラブと靴を取り出しながら答える
「あら、いらっしゃい出来てるわよ」
「あら?アイリちゃんは来てないの?付けてみて欲しかったんだけど」
「あれ?」
外に出てみると外でモジモジしていた
「アイリおいで」
「はい」
不安げな顔をしている
「アイリちゃん、どうしたの?」
「元気がないわね?」
「マサト君にいじめられたの?」
「マサトくんにいやらしい事されたの?」
「あらそれは良い事じゃない」
「変な趣味を強要されたの?」
「それはプレイ次第ね」
「そうよね」
「でも愛が有ればいいわよね」
「望む所よね」
途中から青いワンピースのサーニャさんとのお喋りに変わってる
「アイリちゃん借りるわね」
サーニャさんが奥にアイリちゃんを連れて行く
「マサト君、何が有ったのかしら?」
タニアさんの胸筋がピクピク動く
仕方がないので食堂での話をする
「あら、それはマサト君が悪いわね」
サラッと言われる
「すいません、お恥ずかしい話です」
「奴隷はお金で身分を売ったか売られた人だから」
「奴隷を見下すような人たちも大勢いるわ」
「でもそれは身分制度、奴隷制度がある以上は当然の事よ」
「それに逆らって自我を通した所でいい事なんてなにもないわ」
「毎回毎回食事の度に、喧嘩や殺し合いしたくないでしょ?」
「問題事起こしてお店に迷惑かけたく無いでしょう?」
「だからルールが出来るの」
「奴隷を連れている以上は、あなたがルールを守らないとダメなのよ」
「でも奴隷とはいえ女の子を泣かしちゃいけないわね」
「バツとして店番してなさい」
タニアさんも奥に消えていく
「えっ?客来たらどうするの?」
店番していたが人は来なかった
アイリちゃんは顔を赤くして尻尾を振りながら奥から出てきた
チラチラこちらを見ている…なにを吹き込まれたのやら
「マサト様お待たせしました、もう平気です」
ぺこりと頭を下げる、ふさふさの大きな犬耳がパフンと揺れる
言葉通り平気そうで何よりである
「ありがとうございます」
タニアさんとサーニャさんにお礼を言って店を出る
「ありがとうございます」
アイリちゃんもぺこりと頭を下げる
「またきてね」
「まってるわよ」
などと、送り出してくれる
宿屋「あの夏の熊街道亭」
「個室2人ですが幾らでしょう?」
カウンターのおかみさんに話しかける
背が低めなふっくらとした体格、赤茶色の髪を頭の後ろでお団子にしている女性である
「同じだよ銀貨3枚だよ」
「ではお願いします」
「食事はどうするね?部屋に運ぶかい?」
アイリちゃんをしばし見た後に聞いてきた
「いえ、食べてきたので大丈夫です」
宿代を払いながら答える
「あいよ」
棚から毛布と水差しと水桶と獣蝋燭をアイリちゃんに手渡す
部屋に荷物を置いて、アイリちゃんに洗濯をお願いする
獣蝋燭を蝋燭皿に差して、洗濯紐を部屋に張る
そして、いつものように藁の布団を重ねてその上に毛布を2枚重ねる
藁の布団が薄いんです、2枚重ねるのが良いのです
さてと
下着になって自分の毛布を出す
藁の布団に寝転んでシスに奴隷について学ぶとする
前回は契約に聞いたのでそれ以外の事を聞いてみる
が、大まかな事しかわからなかった
分かったことは、奴隷制度の有る国と無い国が存在すること
奴隷制度の無い国では他国の奴隷は最低の身分の者として扱われる
最低の身分であるが人としてみなされる、奴隷ではなく従者と判断される
奴隷制度のある国では奴隷は人ではなく物として扱われる
隷属したものは人でも魔物でも精霊でもなんでもかんでもすべて物扱いである
ペットや家畜と同じ扱いになるのである
奴隷は制度であり各国毎の決まり事である、と言っていた
国や地域や人によって在り方が変わるので明確な説明は出来ないようである
出来るだけ揉めないようにしていきたいと考える次第である
くすぐったい感じで目が覚める、寝ていたようである
気が付くと部屋は暗かった
傍らにもぞもぞしているアイリちゃんがいる
首筋や胸やわきをクンクンしてペロペロしている
「これは?」
「嫌ですか?」
顔を隠しつつしょぼーんと上目遣いで見てくる
「いや、嬉しいけど」
頭をナデナデする
嬉しそうにクンクンとペロペロを続ける
これはそういう事なんだろうと胸に手を伸ばす
下着の上から弾力の感じる胸にゆっくりとふれる
息を漏らしながらもクンクンとペロペロしてくるアイリちゃん
下着と肌の間に手を入れて体を優しく撫でる
身を固くするアイリちゃんを優しくほぐすように胸を揉む
体をずらして舌で舐めて、吸い転がす
声を堪えるアイリちゃんにキスをしながら太ももの間に手を伸ばす
ピクッと身を固くしたアイリちゃんを舌と指で時間をかけて解きほぐす
柔らかく解きほぐされたアイリちゃんにキスをしながらゆっくりと体を沈める
アイリちゃんはゆっくりと息を吐きながら俺を抱きしめてくれる
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