第4話 ジュルク村.3
ヘンクさんは夕食後、しばらくしてから戻ってきた
リヨンさんの家で食事をとりながらの報告である
「やつらは領主の狩猟小屋に居る…数はおおよそだが22か23」
「魔術師や神官系は見なかった、戦士系も居なかった」
「冒険者崩れの盗賊の一団だな」
「短弓持ちが3人ほど見張りに立っていた」
「小屋の前には16人ほどたむろしていた、残りは小屋の中で人数は3人か4人だ」
「魔法使う奴が居るとしたら小屋の中だな」
ヘンクさんがライ麦パンを食いちぎりながらリヨンさんに報告する
「ごくろうさん、すまないがもう一仕事頼むぜ」
「もちろんだ、準備してくる」
ヘンクさんがライ麦パンをスープで流し込む
「すぐ戻る」
ヘンクさんは片手を振って、外に出ていく
リヨンさんの家の前では月明かりの下でパーティが編成されていた
リヨンさんは片手斧に盾とスケイルメイル
ジョンさんはいつもの狩猟の格好に加えて革鎧を身に着けていた
ヘンクさんは革鎧に武器は鞭、牧羊犬を2匹連れている
マリーさんはチェニックに両手剣
ルーアンさんの奥さんはスケイルメイルに両手斧
マリアンさんは杖にローブ
エラさんは片手棍にチェインメイルである
他にも剣や槍や斧に弓とそれぞれの武器を手に村人が集まっている
マリーさんは昔の防具が恥ずかしいから上にチェニック着てきたとか
エラさんはパンツがキツイと嘆いている
マリアンさんは変わらなくていいわねとか
ルーアンさんの奥さんも体形を気にしているようであった
ご婦人方は体形を気にしていた
男衆はというと
ルーアンさんはケガで参加できないと膨れている他は
剣が重く感じるようになったとか
夜目が効かなくなったとか
腰が痛いだとか
もう年だとかなんとか
加齢の話をしている
皆、緊張感もなく口々に好きなことを話している
編成が終わり作戦会議である…が、作戦は簡単であった
金属防具&両手武器のリヨンさんの重武装パーティが盗賊団の正面からぶつかる
その騒ぎに紛れてジョンさん達が見張りを無力化する
さらに軽武装のパーティが横からリヨンさん達を援護する
正面に騒ぎを集中させて、小屋はジョンさんのパーティが裏から制圧する
「残りの者は、村の警備で残ってくれ」
「いってくる」
リヨンさんの掛け声で移動を始める
夜の散歩にでも行くかのような軽い足取りで冒険者の一団は闇の中に消えていった
リヨンさんの家に戻って村の状況をあらためて聞いてみた
リヨンさんの奥さんは煮出し茶を飲みながら教えてくれた
この村は元冒険者の村で、扱いは開拓村なのだという
正式には領内に隣接する魔物の森に対する駐屯地である
駐屯地は領主の範疇であるから騎士団を使うか冒険者を雇うかである
しかしそんなに人材もお金も掛けれない
そこで引退した冒険者に声が掛かったのである
冒険者ギルドを通じて引退者に駐屯地である開拓村に住まないかと
領主からすると無料の防波堤である
冒険者ギルドからしたら引退者の生活の心配をしなくていい
WINWINな大人の事情村なのである
しかし、快く思わない人も居る
領主から地域を任されている名主である
冒険者ギルド斡旋の駐屯地である開拓者村からは税金が取れないのである
自分の管轄地に住んで居ながら管轄外なのである
さらには冒険者の村が出来るまではフランクの一族が開拓の指揮をしてきたのである
開拓を指揮してきた一族のプライドも有るだろう
「そうなんですか」
「そうなのよ、フランク君のお父さんは良い人だったんだけどねえ」
リヨンさんの奥さんがため息をつく
「フランク君ですか?」
「ええ、あの子はまだ若いのよ」
「たしか、まだ27歳だったかしら?」
どおりでバーコード禿なのにアブラギッシュでなかったのかと
「お父さんが死んでガエルの町から戻ってきて名主を継いだのよ」
「どうしちゃったのかしらねえ」
暫く話し込んで夜が更けていく
…
「さてと…心配しないでさっさと寝ちゃいなさい、明日も早いんでしょ?」
「はい、何かあったら起こしてください」
「お先におやすみです」
「あいよ、おやすみ」
部屋に戻ってしばらく起きていたが
いつの間にか寝ていた
・
大きな話声で目が覚める
まだ薄暗く部屋の隅が暗い
硬い布団に見慣れない部屋
いや…リヨンさんの家だと気が付く
手探りで洋服を探して身に着ける
扉を開けるとリヨンさんが朝食を食べていた
「よう、一人で起きれたか」
パンを食い千切りながら大声で話しかけてくる
「おはようごさいます、大丈夫でした?」
肘を後ろのほうにギューッとしながら聞く
「おう、3人ほど連れてきた」
残りは…聞くのは止めておこう
「飯を食ったらギルドに連れて行く、証人だ」
「誰かケガ人は?」
「ん?けが人か?軽い傷ばかりだ、大したことなかったな」
しかし、それにしては外が騒がしい
「では、外の騒ぎは?」
「ん?」
耳の穴に指を突っ込んでグリグリする
「すまねえ、ヘルメットを殴られてな…よく聞こえねーんだ」
そう言いながら入り口の方に向かう
「リヨンすまねえ、油断したっ!」
遠くで誰かしらが叫んでいた
ガタガタと馬車の走り出す音が聞こえる
リヨンさんと村の入り口に向かう
馬車は走り去っていったようだ
リヨンさんは戦士風の装備の人から話を聞いている
「魔術師の野郎に着けられていたか、油断したな」
リヨンさんが悔しそうに呟く
「ああ、盗賊を連れて馬車で逃げていきやがった」
「それでアランが一人で追いかけたのか?」
「ジョーイを人質に取られて」
「アランの奴がもう一台の馬車に乗って追っかけて行きやがった」
「逃げ込むとしたら名主の所だと思うが」
戦士風の装備の人も悔しそうである
「追いかけるにゃ、足がねえか」
リヨンさんが呟いて俺を見る
「どこに行けば?」
俺はとりあえず聞いてみる
「すまねえ、行ってくれるか…俺たちも装備揃えて追いかける」
「頼むぞ、フランクは町の手前の館に住んでいる」
「アランとジョーイを頼んだぜ」
リヨンさんが俺の肩を強く握る
俺は風魔法のフライを自分に向けて発動する
(”運べ、運べ、湧き上がる風、我に従いて、運べ、祖の風”)
(まずは上に…そして道沿いに)
空にあがると入れ違いに村に入る馬車を見かける
バーコード禿の馬車に似ていた気がする
いまバーコード禿が村に行ったらボッコボコにされるであろう、ザマアミロである
名主の館は町の手前に立っていた
石作の2階建ての屋敷である、いや…小さい屋敷である
結構な速度で飛んだつもりであったがアランさんの馬車には追い付けなかった
館の前に馬車が2台止まっている、ジュルク村の馬車である
地上に降りてコッソリ中を確認するが、誰も居ない
屋敷を見ると扉は開かれているのでゆっくりと扉に向かう
扉のそばに行くと中から男が飛んでくる、ビューンとである
地面に激突して転がる、ピクリとも動かない
近づいて確認する
盗賊の1人と思われる思われる、なんてったって人相が悪い
胸骨が陥没していて、とても助かる状態ではなかった
自業自得という事で…南無
いや…証人は必要かと考える
盗賊に治療魔法を使うとする
しかし胸骨の陥没は治ったが意識は失ったままである
体は完治しても、受けた衝撃までは消えないようである
立ち上がり扉に向かう
また一人飛んでくる、ビューンとである
顎が粉砕されて首があらぬ方向を向いている
顎と首の角度をおおよそ元の位置に戻し治療魔法を使う
顎が千切れてなくてよかった
先ほどの盗賊の隣に並べて扉を見る
飛んでこないな
次が飛んでこないのを確認して扉の中を覗く
扉の中ではアランが両手で顔かばう様に、身構えていた
体には無数の切り傷が付いていた
視線の向こうにはジョーイ君を盾にした盗賊がシミターを振っている
飛び掛かるには少し遠い距離である
館の入り口、2階まで吹き抜けのフロア
右から回り込むように作られた階段の上にはバーコード禿がカーテンを抱えて震えている
魔術師が見当たらない?
何処だ?
キョロキョロしていたらバーコード禿と目が合った
「しらない、私は知らないぞっ!そいつらが勝手にやってるんだ!」
ブルンブルンと首を振りながら叫ぶ、汗が飛んでスプリンクラーのようである
みなさん、そのようにおっしゃいます
「ちっ」
盗賊が唾を吐いてジョーイ君を蹴り飛ばす
アランさんへと一直線に飛んでいくジョーイ君
盗賊はそのままジョーイ君ごとアランさんを切るかのように飛び込む
上段からシミターを打ち下ろす
アランさんも素早く前に飛び込む
ジョーイ君を抱え込みながら体をねじる
ねじられる方向に空中で横回転しながらアランさんの右の肘が盗賊の右胸に潜り込む
シミターをその場に落とし盗賊は奥の壁まで飛んでく
素晴らしい攻防に心の中で拍手を送る
奥に飛んで行った盗賊の治療の為に奥に進む
右胸が肘の形に陥没していた、恐ろしい
治療魔法で治療して横に寝かせる
「危ないっ!」
ジョーイ君の叫びで振り返る
壁に刺さるシミター…首の無い魔術師の体…左腕の無いアレンさんが目に映る
走ろうとするが足がもつれてつまづく
アレンさんの所にはっていく
床の上のアレンさんの左腕を拾う
腕をくっつけながら治療魔法を発動する
集中する…治れと…祈る
(”癒せ、癒せ、彼の傷を、踊れ、踊れ、命の鼓動よ舞い踊れ”)
アランさんの腕の傷口が淡く輝く
腕は繋がったようだが安心はできない
肉の足りないところはカサブタになっている
腕を動かせないように服でくるみ、紐とベルトでグルグル巻きにする
「腕を動かさないでください」
「血は戻りません、休んでいてください」
アランさんに念を押す
「わかった、ありがとう」
傍らで泣くジョーイ君の頭を撫でながらアランさんが答える
さて…魔術師は…首が
(シス、首もくっつくかな?)
(はい、元通りに出来ます)
(えっ?生き返るの?)
(いえ、魂は神の領域です)
(そうか)
外からガタガタ馬車の音と声が聞こえる
リヨンさん達が屋敷の中に駆け付ける
名主の護衛のネイサンさんも居る
あれ、そういえば護衛してなかったなと今更ながら思う
リヨンさんとネイサンさんがバーコード禿と何やら話をしている
屋敷の使用人も出てきた、隠れて見ていたのだろう
盗賊と魔術師の遺体が外に運び出されていく
アランさんも立ち上がりジョーイ君と外に向かって歩いている
「おつかれさま」
ジョンさんが声を掛けてくる
「はい、疲れました」
答えて屋敷をでる
名主が村に乗ってきた馬車にネイサン達と盗賊と魔術師の死体が乗っている
リヨンさんがジョンさんに何か話してから、その馬車に乗って先に出発した
残りは村の馬車2台に分乗して村に帰る
リヨンさん達は冒険者ギルドに報告に行くと教えてくれた
ネイサン達は名主の護衛依頼を反故にする為に冒険者ギルドに戻っていたらしい
その際に村からの陳情があったと聞いて心配して駆けつけてくれたと
「ネイサンは盗賊を使って村を襲う計画もあったと言ってましたから」
ジョンさんが言う
「そうですか」
言葉が続かなかった
「マサトさん、着きましたよ」
ジョンさんに起こされる
いつの間にか寝ていたらしい
「はい」
答えてヨダレを拭う
馬車を下りて背中を伸ばす
太陽は真上にある、お昼ごろであろうか
ギュルルルギューっと、腹が鳴る
アランさんを探すとマリアンさんが腕の治療をしている
ジョーイ君も笑顔が戻っている
心配無さそうである
アランさんがこちらを見て右手を上げる
マリアンさんがそれを見て、俺に向かって深々と頭を下げる
「ありがとー!」
ジョーイ君に声を掛けられるのは、実は初めてかもしれない
ほんのり暖かい気分を貰ってリヨンさんの家に向かう
「ただいま戻りました」
テーブルに着く
「おかえり、大活躍だって?」
リヨンさんの奥さんが、煮出し茶を入れてくれる
「どうでしょう?役には立てたのかな?」
「ビューンっと、飛んで行ったと聞いたわよ」
苦笑いである
テーブルに座り煮出し茶をいただいていると、押し麦のミルク煮が出てきた
さらに一皿、鹿の燻製のスライスにタマネギとハーブにビーマンが入っている
ニンニクと胡椒と酢で作ったドレッシングを掛けていただいた
食後にお茶をいただいてリヨンさんの奥さんとマッタリ雑談である
小さく誰かの声が聞こえた気がする
「いま、何か聞こえませんでした?」
「いや?聞こえなかったと思うわよ?」
耳に手を当てて聞き耳を立てる
立ち上がり、入り口の扉から外に出る
ジョーイ君の声が聞こえた気がするのだが?
食後にジョンさんの家に向かう
マリーさんが眠そうな顔で出迎えてくれる
髪は乱れて顔にかかり寝巻もずれて鎖骨が見える
布越しにとてもとても大きなたわわんな実りを感じる
もったいないが目をそらす
「ジョンならエリシャを連れて罠を見に行ったわ」
髪を手櫛で直しながら答えてくれる
「ありがとうごさいます、行ってみます」
とは言え、罠の場所がわからない
魔の森の方に行ってみるか
森を覗き込みながら小道を歩るく
暫く進むとジョンさんが見えた
ウサギを手に小道を歩いてくる
その後ろには少し離れて…泣いているジョーイ君
ジョーイ君を横から慰めているエリシャちゃん
立ち止まりしばし眺める
状況が分からん
迷子か…転んだか…?
村に戻る途中でジョンさんが教えてくれた
「ジョーイ君の話ではアランさんが出て行ったそうです」
あの傷で…か
「アランさんを追いかけたが見失ったそうです」
お昼の声は空耳じゃ無かったのかもと思う
「これ以上は聞けませんでした」
「この話はリヨンさんが帰ってきてからにしよう」
「はい」
「僕はジョーイ君とマリアンさんの所に行きます」
「エリシャとウサギをお願いして良いですか?」
「はい」
村の入り口で別れて、ジョンさんの家に向かう
エリシャちゃんを家に送り、納屋に向かう
解体の準備で樽を井戸まで運ぶが魔法を使えるから楽々である
井戸から樽に水をいれる、これも魔法で水桶を動かす
さてと一人でやってみよう
鹿に倣ってウサギの皮を剥ぐ、思いのほか簡単に出来た
一度やってしまえば度胸も付くものなのかもしれない
三羽ほど剥いでるとマリーさんがやってきた
エリシャちゃんも一緒である
ウサギの皮に残った肉をこそぐ
エリシャちゃんがには毛皮を洗ってもらう
ウサギを解体しながらマリーさんが問いかけてきた
「アランさん、出て行ったんですって?」
「そうらしいです、ジョンさんが話を聞きに行ってます」
「アランさんが来たのはあなたが来た日の…そうね、四日前くらいだったかしら?」
「着の身着のまま、町の方から来て水を分けて欲しいって」
「ちょうどこの村に、アノいやらしい魔術師が来ていてね」
「アランさんがボコボコにして、追い返したのよ」
「ジョーイ君も懐いて…いい感じだったのにね」
「ホント、残念よね」
マリーさんはため息を付く
「そうでしたか」
・
夕食後に食後のお茶を飲みながらマッタリする
リヨンさんの奥さんのお話を聞きながらくつろぐ
「いまかえったぞ」
リヨンさんが帰ってきた
「じゃまするよ」
「おじゃまします」
「しつれい」
「…」
ネイサンさんと仲間の三人も一緒に入ってくる
「こんばんは」
ジョンさんまでやってきた
「あらまあ、おかえりなさい食べるわね?」
リヨンさんの奥さんが台所に移動する
「おかえりなさい」
席を譲って壁際の薪の上に座る
ジョンさんは隣で壁に寄り掛かる
今日の夕食はウサギの肉シチューとライ麦パンであったが
ジョンさん以外の追加三人分あるので鹿の干し肉の野菜炒めも追加された
それでも足りない場合はカウンター上にある干し肉も出される
この村に最初に来た時にリヨンさんに貰ったマジ硬塩辛干し肉である
リヨンさんお手製の逸品である
食事を終えて俺とジョンさんにリヨンさんが説明してくれる
「名主の件はカタが付いた、心配しなくていい」
生き残った盗賊は名主の告発に協力する契約に同意した事
冒険者ギルドが責任をもって領主に名主を告発する事
盗賊と魔術師の死に関しては不問とする事
盗賊の3人に賞金が掛かっていた事
順番に話してくれた
「名主が変わるとは思えんが、フランクも懲りただろう」
「一安心ってやつだ」
リヨンさんがニヤリとする
「それと」
「もう一つの方、ジョンから聞いたアランの方だが」
言いにくそうにリヨンさんが話す
「実は、アランの首には賞金が掛かっていた」
ネイサンさんが代わりに話してくれた
ネイサンさん達が村を襲う計画を魔術師に持ちかけられたが断ったと
魔術師は名主の雇った盗賊を使って馬車を襲わせようとしていたと
さらには村も襲わせる計画があったと
その計画を理由に護衛依頼の反故にするために冒険者ギルドに戻ったと
その時に村からの陳情があったことと、アランさんの賞金の事を知ったと
「アランは元拳闘士で、八百長を持ち掛けて来た胴元を殴り殺したらしい」
「要求通りに負けたが…奥さんと息子は帰って来なかったらしい」
「死んだ胴元は貴族でな…アランの首に賞金が掛けられた」
ネイサンさんが冒険者ギルドで聞いてきた話をする
リヨンさんは黙って話を聞いている
「知っていたんですか?」
ジョンさんがリヨンさんに問いかける
「ああ…拳闘好きには有名な話だ」
リヨンさんが答える
・
薄暗い中目覚める
手探りで服を探す、ジャージを取り…着替える
扉を開けて部屋を出る
「おはようございます」
今日はやけに清々しい気分だ、目覚めがいいし体が軽い気がする
「おはようさん、朝食できてるよ」
リヨンさんの奥さんの声
「行くのか?」
リヨンさんも俺を見て、何か感じたのだろう
「ええ、行こうと思います」
何かわからないがスッキリした感じである
何故か村を出ようという気になる
・
ネイサンさんの馬車に乗せてもらって町に向かう
村を振り返る
村を出るときに服と靴と鞄を貰った
ジャージとサンダルは止めとけと言われた
鞄の中には昼食と盗賊の賞金が入っていた
腹が減ったら食べなさいと言われた
無駄使いするなとか、無くすなとか、盗まれるなよとか言われた
村のみんなで見送ってくれた
魔法使いなんで名乗らないようにと言われた
いつでも遊びに来いと言われた
人生を楽しめと言われた
「感傷に浸るには早いぞ、マサト」
「干渉に浸るのは老後のお楽しみだ、引退してからでいい」
ネイサンさんが声を掛けてくる
両手剣持ちのニックさんが頷く
「それよりも大活躍だったんだろ?話を聞かせてくれよ」
弓使いのディノさんが聞いてくる
「町まで時間はある、頼むぜ」
御者台のアーティさんがこっちに座れと台を叩く
町への道を馬車は進む
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