第102話 女神様の代行者?
「・・・に、賑やかだな」
困惑した様に、ミシェイルが言う。
「ええ、皆さん、仲が良いですよね」
ユウタが苦笑する。
ちゃ
ユウタが剣を構え、
「行きます!」
タッ
ユウタが駆ける。
「来い!」
ミシェイルが迎え撃つ。
ガッガッガッ
激しい打ち合い。
ユウタの・・・分が悪い。
ザッ
遂にユウタの動きが捉えられ、槍に肩を貫かれる。
ザアアアアア
距離を取り、回復魔法で傷を癒やすユウタ。
聖職者同士の戦いは、防御バフや回復魔法のお陰で、長引く事が多い。
だが──やはり、地力では負けている、か。
「今ので、お主の力は分かった。お主では──我には勝てぬ」
傲然と言い放つミシェイル。
ユウタは、剣を掲げ、
「アークエンチャントパワード、アークエンチャントスピード、アークエンチャント・・・」
次々に魔法を行使し、身体強化を行う。
「ま・・・待て待て待て!ステータスエンチャントの魔法を何故使えるのだ?!」
え。
「サブクラスに、冥王をつけていますからね。当然使えますよ」
「サブクラスって何だ?!」
ユウタが呆れた様に呟いた言葉。
それに何故か食いつくミシェイル。
「・・・あのミシェイルって奴、攻略情報見てないのか?」
俺が訝しむと、
「ニンゲン、以外の種族は、デュアルクラスなんてできないからね。驚くのも無理は無いんじゃ無いかなあ?」
フィロが言う。
「・・・ニンゲンだけの特権だったのか。実は、そこまで不利でも無いのでは」
俺はシングルクラスだけど。
ガッ
先程とは比べ物にならない速度で、ユウタが翔ぶ。
何とか凌いだミシェイルを──
ゴゴゴゴ
背中から無数の闇刃。
「ぐおおおおおおお?!」
ザンッ
背中の防御にまわった隙に、正面から、ユウタの斬撃が飛ぶ。
それでも、戦いは小一時間はかかり・・・
遂に、ミシェイルが膝をついた。
「・・・降参である。見事・・・」
チン
ユウタが、剣を鞘に納める。
絵になるなあ。
「本当に強かったです・・・また、戦いましょう」
右手を差し伸べ、ユウタが微笑む。
さて・・・これで1勝・・・か。
--
「んー、お姉さん好みの可愛い子ね。後で、お姉さんと良い事しましょうね」
ぱちり
天使側次鋒は、ないすばでいのお姉さん。
露出は高く無いが、結構えっちい。
「僕は神に仕える身、色事には関われません」
ユウタが、首を振る。
「あら・・・神様大好きって訳ぇ?神様と結婚してますーって?」
くすくす
相手の天使が笑う。
あいつ、女神様の代行者か?
翻訳ミスった奴。
「いえ・・・我が御神は、マスタ一筋ですので。そんな不敬な事は申せません」
「・・・御神が誰かに好意を寄せてるとか妄想する方が失礼だと思うわよん・・・」
素の声音、半眼で天使が告げる。
「ま、全くだ。な、なあ、ユウタはその・・・根も葉もない話を・・・なあっ?!」
女神様が俺をがくがく揺らす。
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