第81話 開かない扉
「あれが
オトメが、警告する。
「
ゴウッ
オトメが巨大な銃から放った光。
王種を貫き──貫かれた所から破れるように崩壊、何も無くなった。
「消えた?!」
「
オトメが低い声で答える。
「アレを一撃とは・・・オトメ、と言ったか。なかなかの力だな」
女神様が目を見開く。
ガッ
壁から飛び出した龍樹が、女神様に迫る。
女神様が迎撃するより早く──
カゲが蹴りつけ、龍樹を飛ばす。
龍樹が纏う蒼白い光が、壁を豆腐の様に分解する?!
カゲを見ると、足に気持ち悪くなるくらいの魔力が渦巻いている。
「・・・
女神様が呆れた様に言う。
カゲが少し寂しそうにする。
酷い言い様だ。
「いや、悪かった。御礼にポイントを付与しようか」
「いえ、気持ち悪い方向でお願いするでござる」
慌ててフォローしようとした女神様を、カゲが押し止める。
「うさああああ」
ルナナの無数の烈光。
「
メイルの魔力槍。
「
月花の火炎魔法。
「
フェリオの氷魔法。
おい。
ギジジ・・・
空間が悲鳴を上げつつ、力が龍樹に迫る。
が、龍樹の張った壁に遮られて消える。
と言うか、カゲのさっきの蹴り、これより凄かったのか?
俺の従魔では無くなった存在達・・・その力は、ますます増している様に見えるが・・・
「うさあ?!」
ルナナが抗議の声を上げる。
ああ、すまん、ルナナは今も従魔だな。
「流石、騎士種・・・」
オトメが唸る。
「先程の蹴りには驚いたが・・・打つ手は無いようだな」
騎士種がカサカサと体を揺すり。
「とにかく進むぞ」
女神様が手を振ると、3本程の蒼白い光が伸び。
騎士種を貫き、そのまま消失させる。
?!
女神様、戦えたのか?!
「・・・心の中が読めないが、キミ、今失礼な事を考えなかったか?」
女神様が半眼で尋ねる。
「いえ、決して」
こええ。
それ以降、騎士種は出る事が無く。
やがて、扉の前で止まり、
「この先ですね・・・ただ・・・」
オトメが困った様に言う。
「世界の存在と意味を重ね、扉を閉じる概念を強化しているな。扉の破壊も、壁の破壊も、困難か・・・」
女神様が、苛立ちを滲ませ、言う。
「扉を開けるのに力を使い果たせば、中にいる女王種に狙い撃ちされる可能性が」
オトメが思案気に言う。
「?」
月花が不思議そうに首を傾げる。
「どうした、月花よ?」
女神様が月花に尋ねる。
「開かない扉に何か問題が有るのですか?」
月花が不思議そうに尋ねる。
「開かなければ、無理矢理開く事になりますが、少々面倒だという話ですよ」
オトメの解説。
開ければ良いんだよな?
ガチャリ
話が長くなりそうだから、とりあえず扉の鍵だけ外しておく。
「「??!」」
オトメと女神様が面白い顔をする。
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