第80話 騎士種

俺とトキは何もできないが・・・

他のメンバーは、順調に雑種や兵種を倒していく。


何とか目が慣れてきた。

基本的に、樹で、先端が龍の顔になっている。

浮遊している奴は、枝と根が絡まって球状になっている。


<種族レベルが143,456上がりました>

<種族レベルが113,556上がりました>

<種族レベルが182,233上がりました>


うるさい。


「にゃ・・・少し目が慣れてきたけど・・・ふらふらにゃ」


「だよなあ」


トキに、同意を返す。


「・・・いえ、この短時間で視認できるようになる方がおかしいのですが・・・」


ロリアが半眼で言う。

何でだよ。


「まあ・・・トキよ。今は生き残る事を優先しよう。悔しいが、俺達は何もできない」


「・・・そうにゃ・・・シルビアさんと一緒・・・仕方無いにゃあ・・・」


トキが、悔し気ではあるが、少し安心した様子で言う。


ゴボオッ


壁から龍の顔が出現。

壁からも出て来るのか?!


トキを押しのけつつ──


ゴウッ


宝飾解放ロストトレジャー!!」


俺が放った光が、壁から出てきた龍樹を消し炭に変えた。


「普通に倒したにゃ?!」


「普通じゃないぞ?!」


UR武器を消費して倒したのを、普通とは言わない。


<種族レベルが116,333上がりました>

<種族レベルが7,234,183上がりました>

<種族レベルが99,111上がりました>


感覚を研ぎ澄ませているだけでも、どんどんレベルが上がり続けるが。

流石に、敵を倒すと桁が違うくらい上がるな。


・・・


・・・?!


予感を感じ、女神様を押し倒す。


ゴウッ


女神様のいたあたりを、青白い光の柱が貫く。


「なっ・・・」


遅れて、女神様が呻く。

今のは・・・?


ゴウッ


続く光・・・


パシッ


オトメが張った青白い光の壁が、光の柱を防ぐ。


光の柱は・・・壁から生えて・・・?


霊真エーテルか・・・騎士種か、王種か・・・」


女神様が、光の柱が来た方向を睨む。


「女王種では無いですね。恐らく騎士種かと」


オトメが答える。

壁を隔てた場所から攻撃してきたので、姿が確認できない。


「近寄ってくる気は無いようだ・・・先に進むぞ」


女神様はそう言うと、歩き始めた。


--


「しかし・・・この規模で、騎士種がいるとは・・・一体何を企んでいたのか・・・」


女神様が、漏らす。


「恐らくは・・・領域主に対する攻撃でも、仕掛けるつもりだったのかと」


オトメが答える。

領域主?

女神様?


オトメが、砲撃があった方向。

女神様が反対方向に立つ。

時々、オトメが砲撃を防ぐ。


「まさか、女神様が御自らおいで遊ばされるとは」


ゆっくりと歩いてくるのは・・・樹。


「王種ですね。強い・・・です」


オトメが警告する。


フォンッ


オトメが、無数の蒼い光を生み出す。

そしてそれが・・・


ゴッ


蒼い光の剣となって、無数に王種を襲う。

王種は、蒼い光の円を無数に展開。

次々と剣を防ぐ。


「コリシュマルド!!」


ゴウッ


ロリアが放った、漆黒の刃が・・・あっさり、王種の盾にあたり、霧散する。


?!


防いだ、というより、盾の前で消えたという印象だ。

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