第76話 お構いなく

「・・・調査が必要か・・・」


俺は、ユウタ、そして、周囲にいるギルドメンバーに告げる。


「あ、お構いなく」


カゲが告げる。

カゲが調べてくれるという事か?



・・・・あ。



唯一、誰かから奪った、4の宝石、か。



「・・・そうですね、私も調べてみます」


「いや、もう良いよ。それより、次のイベントに向けて準備しよう」


俺は、どっと疲労を感じつつ、ユウタにそう告げた。


--


1位 ソフィア 1,339,441,334 ポイント

2位 トキ 273,444,263 ポイント

3位 ユウタ 186,222,137 ポイント

4位 ミカエル 144,177,322 ポイント

5位 イレーザ 138,299,444 ポイント

47位 レイ 2,778,441 ポイント

48位 サクラ 2,477,146ポイント


「厳しいにゃあ・・・」


いつもの湖畔のほとり。

ギルドメンバーと、カゲとで、戦略会議。


トキも順調にポイントを伸ばしているが、ソフィアには遠く及ばない。

確かに厳しい・・・


ユウタのポイントが伸びているのは、夢守商事の関係者、支援者のポイントを集めたからだ。

解子が人類代表を目指す事、現実リアルと、トキとしての立場、全てを公開した。


俺の分も、現実リアル、夢守商事の副社長で有る事は明かした。


LJOの事は、俺もトキも、明かしていない。

そもそも、LJO自体が語らざるべき事になっているからな・・・


後は・・・五英雄を嫌う層を、どれだけ取り込めるか・・・


全力は尽くす・・・悲観はしていない。

実際、負けても構わないのだ。


トキが代表になれば、俺は全力で補佐するし。

ソフィアが代表になっても、俺は全力で補佐する。

それは、トキも、ソフィアも、分かっている事だ。


もし、第三者がトップを取れば・・・それはそれでいい気がする。

大多数の支持を集めたのだ。

それに従うのも良いと思う。

勿論、トップを取ったのが気に入らない奴なら、俺は距離を取り、気儘に遊んで暮らすが。


「若き英傑達が、頑張っているからな。老体には眩しいぜ」


サクラがしみじみという。

おい、9歳。

・・・この前誕生日だったから、10歳か?


「まあ、やれるだけ頑張るにゃあ!」


「まあ、若い、っていうのは、それだけで弱みだけどな。あたいなら、こいつらまとめて言う事を聞かせられるぜ?」


サクラが、人の悪い笑みを浮かべる。


「・・・何をする気だ?」


邪気を感じ、尋ねる。


「サクラ、良く分からないけど、だめだよぅ・・・?」


レイが、咎める様に言う。


「レイ・・・シルビアの為・・・だぜ?あんたの協力も必要なんだ・・・協力してくれるよな?」


サクラが、レイの肩を掴む。


「・・・サクラ・・・?」


レイが戸惑いの声を上げる。


「おい、サクラ?」

「サクラちゃん・・・?」


俺とトキが静止の声を上げるが、


「悪い様にはしねえよ・・・レイを借りるぜ」


サクラはそう言うと、レイを連れて、行ってしまった。

・・・まあ・・・無茶はしないとは思うが。


--


1位 ソフィア 1,339,447,133 ポイント

2位 レイ 899,188,366 ポイント

3位 トキ 273,445,000 ポイント

4位 ユウタ 186,222,137 ポイント

5位 サクラ 2,477,146 ポイント

6位 メルル 5,236 ポイント

7位 シルビア 3,284 ポイント

8位 シーザー 3,114 ポイント

5247位 カゲ 21 ポイント


「・・・何が・・・起きた・・・?」


目を疑う結果となっていた。

独立してポイントを稼いでいた陣営が、ほとんどレイに入れたと言うのか・・・?


て言うか、シーザー君頑張れ。

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