第74話 トキ陣営
いや・・・目立ってしまえば、目をつけられ、狙われるかも知れない。
派手に動くのは、リスクが高そうだ。
五英雄の強みは・・・やはり、その組織力だろう。
個のプレイヤーで幾ら頑張っても、限界がある。
五英雄のネームバリューは、伊達じゃない。
無論、負ける気は無い。
思惑はあるのだ。
とにかくも・・・今は、個のプレイヤーとして、それなりの数を集めなければ・・・
お、あいつはかなりの数の・・・
ガサッ
気配を向けた瞬間、逃亡に移るターゲット。
ち。
ひゅっ
姿を見られるリスクを犯し、ターゲットに肉薄。
「風よ!」
暴風が吹き荒れ、進路を阻む。
が。
ひゅっ
上空へと跳び、背後へとまわり、
ゴッ
背中を蹴りつける。
ターゲットは、宝石を庇う様に抱え込み・・・
「・・・ユウタさん・・・ごめんなさい・・・」
・・・あ。
「・・・ユウタ・・・?」
「・・・何ですか?」
ターゲット・・・女剣士が、警戒しつつ、こちらを確認。
「・・・ひょっとして・・・ユウタの協力者か・・・?」
「・・・それが、どうかしましたか?」
うん。
誰が味方か分からないと、遊撃なんてできる訳が無いよね。
「・・・俺は、ユウタと同陣営だ。すまないな」
取り敢えず、一旦集まろう。
--
「1,200個・・・多いか、少ないか・・・分からないにゃあ」
トキが、宝石を弄ぶ。
「これも渡しておくでござる・・・私の分は、終了間際に」
チャリ
カゲが、トキに宝石を4つ渡す。
カゲが本気を出せば、相当な数が集まるだろうが・・・
完全に省力モードだ。
まあ、0じゃないだけ、協力的ではある。
「協力者の人には、この羽根飾りを頭につけて貰います・・・勿論、敵に真似られるリスクは有りますが・・・」
ユウタが、協力者の人と、俺達と、見て言う。
「まあ、無いよりはマシだろう。頭から羽根飾りを外していて、間違えて奪ってしまったら・・・許せ」
次に似たようなイベントが有った時は、余っているレアアイテムでも配るかな。
ユウタの他、レイやサクラ、トキも、それぞれの人脈で協力者をつくっているようだ。
この場に集まった人だけでも、100人程。
さっきの女剣士さんもいる。
「・・・取り敢えず、危険を感じたら、トキ陣営だと叫ぶ事にします・・・」
女剣士さんが困った様に言う。
本当は、俺が全員の顔を覚えれば良いのだろうけど。
・・・間違えたら、後で謝ろう。
「後は、五英雄がどう動くか・・・ですね」
他の協力者の人が、不安気に言う。
既に1人退場しているがな。
・・・まあ、他の五英雄が厄介なのは確かだ。
個々の強さに加え、協力者の数も膨大だろうし。
ポラリスみたいに、ふらふらと単独行動を取ってくれていれば良いが。
集団で固まっていれば、手は出せない。
まあ・・・固まっているだろうな。
砦の様な建物もあったので、そういった感じのに籠城しているんじゃないだろうか。
「あ、お構いなく」
「構いますよ?!」
カゲがいつもの台詞を発し、つっこまれている。
「さて・・・後半戦だな」
俺は、みんなを見回すと、告げた。
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